オシャレなコンクリート打ちっぱなしの内装のメリット・デメリット

オシャレでお客様からも人気がある、コンクリート打ちっぱなしの店舗内装。
インダストリアルな雰囲気や無骨、大人っぽい、かっこいいといった雰囲気と大変相性が良い内装デザインです。また近年では、カフェやフラワーショップといった業種でも見かけることが増えました。

そんなコンクリート打ちっぱなしの内装ですが、取り入れる時には押さえておきたいポイントがいくつかありますので、この記事でまとめていきたいと思います。

1.コンクリート打ちっぱなしの内装とは

「打放しコンクリート（うちはなしコンクリート、うちっぱなしコンクリート）」または単純に「打放し」と呼ばれることもあるタイプの内装です。
躯体を活かした仕上げ方法だとよく言われますが、建物の構造体であるコンクリートのままで仕上げると思っていただければ良いでしょう。RC（鉄筋コンクリート造）やSRC（鉄骨鉄筋コンクリート造）の建物で採用可能です。

高名な建築家にもコンクリート打ちっぱなしを手掛けている人は多く、コンクリートの意匠性の高さに魅了された人々がたくさんいることが窺えます。日本では安藤忠雄などが非常に有名ですね。

2.コンクリート打ちっぱなしの内装のメリット

かっこいい

コンクリート打ちっぱなしの内装が持つ最大の魅力は、やはりデザイン性の高さではないでしょうか。お客様のご要望としても「かっこいい」は大変多い理由です。

削減できる内装費用がある

コンクリート打ちっぱなしにすることで安くなる、とは単純に言えませんが、壁紙や内壁塗装をしないため、それらにかかる内装工事費用はカットできることがあります。壁紙は一定年数で張り替えますから、メンテナンスコスト削減になる場合も。

広々とした空間を実現させやすい

RC造、SRC造のメリットにもなりますが、一般的な建築に使用される断熱材や内装材などがなく躯体面積を限界まで活用するため、大きな空間を確保しやすい点も魅力です。RCやSRCは木造と比べて柱と柱の間隔を広く取ることができるので、間取りの制限も受けにくい利点もあります。

遮音性に優れている

コンクリートの特徴のひとつに、空気の振動を伝えにくいというものがあります。賑わいが予想される飲食店や音楽を大きなボリュームで流したい店舗などの内装では有利です。
ただし、床スラブ厚はチェックしましょう。床スラブ厚が薄いと、上下階に音が漏れやすくなります。

耐火性に優れている

隠れたメリットなのですが、コンクリートの建物は木造建築よりも火災保険料が安くなることが多いです。これはコンクリートの耐火性が優れているため。検討している物件が木造とコンクリート造だったとして極端に金額が異なるケースはあまりないですが、火災保険料は継続的にかかる費用ですから、知っておいて損はない知識です。

3.コンクリート打ちっぱなしの内装のデメリット

断熱性が低い

これはよく知られたデメリットではないでしょうか。コンクリート打ちっぱなしにすると基本的には断熱材を入れることができないため、夏は暑く、冬は冷えやすくなってしまいます。
空調効率が下がると光熱費が上がってしまいますから、この点はしっかりと事前に検討しておきたいですね。外断熱工法を導入するという解決手段もあります。

場合によってはコストがかかる

例えば配管を隠すための工事が必要になる、前のテナントの内装が残っていた場合は撤去費用がかかるなど、思わぬ費用が発生することも。見栄えは良くても、触れた手や衣類に粉塵が付着しないよう防塵塗装が必要になることもあります。
希望する内装、現場の状況などにより予算増となる可能性も考慮に入れておきましょう。

結露、カビに注意

コンクリートの特性のひとつに、吸水性が高く乾きが遅いというものがあります。湿りやすく乾きにくいということですね。この特性が、室内に湿気がこもりやすい状況を招くことが多いです。結露やカビの発生には十分な予防策を講じておくことをおすすめします。

まとめ

店舗におけるコンクリート打ちっぱなしの内装について、要点を絞ってお伝えしました。
物件が建っている場所や周囲の環境、スケルトンなのか新築なのか、業種は何かといった様々な要素が絡み合い、かかる内装費用や工数は変わってきます。快適な空間を実現するために必要な工事も異なりますから、業者との相談でしっかりと話し合い、確認しながら進めていくことをおすすめします。