梁(はり)とは?内装デザイン・工事での役割や、お客様に与える印象について解説

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記事の監修・執筆者:古川原

梁(はり)とは?内装デザイン・工事での役割や、お客様に与える印象について解説

一戸建ての新築やリフォームでも聞く単語「梁(はり)」。屋根、柱、壁といった言葉に比べると、十分に理解している人が少し少なくなる建築物のパーツです。なんとなくは理解しているけど、どこにあるもの?店舗の内装を決定するにあたって何に注意したらいいんだろう?という方も多いのではないでしょうか。
梁は店舗のデザインによっては内装を大きく左右し、また建物の安全面にも関わってくる要素です。今回はこの梁について、店舗という観点から解説していきたいと思います。

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1.梁(はり)とは

梁とは簡単に言うと、柱の上に渡す部材のことです。木造建築では木材が、鉄骨構造では鋼鉄部材が使われるなど、建築方法や設計により素材は異なります。
建築物のどこにあるかですが、梁は横、柱は縦、筋交い(すじかい)は斜めに走っていると大まかに覚えておくと理解しやすいでしょう。

ちなみに、古民家カフェなどでは梁を見せる内装がよく見られるため、和風なテイストを想像する方も多いかもしれませんが、西洋建築にも梁はもちろん存在します。ハーフティンバー様式と呼ばれる、柱や筋交いなども隠さず見せる建て方などが有名です。

ハーフティンバーイメージ

2.梁の種類・役割

梁は上からの荷重を支える、大切な役割を担っています。また店舗全体の強度にも関わりがあり、梁の追加は耐震補強でもよく見られる工事です。

梁はその役割によって、様々な種類に分かれています。
柱と柱を直接つないでいる、言い換えれば梁の端に柱があるものを、一般的に大梁(おおばり)といいます。柱に直接つながっていないものは小梁(こばり)と呼ばれます。

梁の違いイメージ図

妻梁(つまばり)、小屋梁(こやばり)、床梁(ゆかばり)・火打梁(ひうちばり)、二階梁(にかいばり)などなど、場所や役割でたくさんの名称があります。店舗設計よりも、ご自分の住まいを建てる際に耳にしたことがある方もいるかもしれませんね。居抜き物件や住宅を改装して店舗オープンをお考えの方は、内装工事で天井を剥がし、既存の梁を目にすることも出てくると思います。

3.見せ梁で、広々した店舗空間と雰囲気のある内装デザインを

一般住宅でも、天井をぶち抜いて梁を見せるデザインが増えています。梁見せ天井、あらわし梁などと呼ぶこともありますね。塗装などの見せ方にこだわれるデザイン性や、木材の風合いやぬくもりを活かした雰囲気が人気です。

店舗デザインでも、梁を活かした内装は人気があります。おしゃれで開放感のあるデザインや、高い天井に走る太い梁が生み出すダイナミックな店舗空間、まっすぐではない古材をあえて使った味のある内装など、テイストも様々。古民家風の梁を活かした店舗内装は、和カフェをはじめとした飲食店や美容院などのサロンなどでも採用されていますし、近年大きな盛り上がりを見せている貸別荘などの宿泊施設でも人気です。

カフェの天井イメージ

InstagramやFacebookなどのSNSでは、実際に店舗を訪れたお客様が撮影した写真や動画をチェックすることができます。天井付近の映り込みに着目して探してみてください。きっと内装のヒントが得られ、イメージを膨らませることができると思います。

4.梁の扱いには、必ず専門家の意見を仰ぎましょう

内装のデザイン、工事の中で、梁まわりに思わぬ変更が生じることもあります。店舗開業にまだ慣れていない施主様が事前に予想しにくい例を、ここでご紹介したいと思います。

梁を増やすケースがある

間取り的に柱が邪魔になってしまうような場合、梁を追加することがあります。柱をずらしたり抜いたりする代わりに、梁を入れることで補強するという手法です。
もちろん構造計算上抜いてはならない柱もありますから、素人判断は厳禁。専門家に相談し、判断を仰ぎましょう。

内装制限を受ける場合がある

店舗を建てたり改装したりする際には、建築基準法で定められた「内装制限」というものがあります。簡単に言うと、火災発生時に有毒ガスが発生するなどして人の避難を妨げないよう規定されているものです。2020年に法改正が行われました。
梁が多く見えていると内装制限の対象となり、準不燃材で仕上げる必要があるなどの注意が必要になってきます。

これらはごく一例で、希望の内装デザインや、居抜き物件の場合は引き渡し時の状態によっても必要な対応は異なります。ケースバイケースで、また安全性に関わることですから、こういった場合は必ず専門家に相談しましょう。梁を活かした内装にしたいと考えが決まっているなら、デザインの相談を始める時点で話しておきたいですね。

まとめ

梁イメージ

建築物においてとても大切な梁について、店舗開業という観点からまとめました。
天井で隠してしまえば目につかない梁ですが、見せる選択をすればデザイン的に大変存在感のあるパーツ。耐震強度など、建物としての強さや安全面にも大きく関わる部分でもあります。
設計をお願いする建築事務所やデザイナーの方としっかり相談しつつ、安全かつおしゃれな内装デザインを作り上げていってください。

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記事の監修・執筆者

  • 株式会社ライフワン 古川原

    保有資格:
    2級建築士
    第2種電気工事士
    一般建築物石綿含有建材調査者
    石綿作業主任者

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