店舗開業のために知っておきたい、内装工事の種類と内容

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記事の監修・執筆者:古川原

店舗開業のために知っておきたい、内装工事の種類と内容

店舗の開業にあたって必要となる内装工事。内装は集客や売上に大きく影響を与える部分ですので、専門家に相談しながら進めることが多くなります。 一口に内装工事と言っても、その内容は多岐に渡りますので、あらかじめ工事の種類や内容を把握しておくと打ち合わせをスムーズに運べるでしょう。
今回の記事では、店舗における内装工事の主な種類とその内容を解説します。

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内装工事とは?

内装工事とは、基本的に建物内の設備や装飾などの工事のことを指します。
間仕切りの壁や、壁紙の貼り付け、天井・壁・床の仕上げ、建具の取り付けなど様々な種類があります。
また、店舗における内装工事では、電気・水道・ガスなどのインフラ設備工事や、業務用の厨房設備工事なども対象となる場合があります。

主な内装工事の種類

それでは具体的にどんな内装工事があるのかを詳しく見ていきましょう。
今回は店舗の内装として行われる代表的な工事を紹介します。

軽鉄(LGS)工事

工事

軽鉄工事は、壁や天井などの骨組みとなるLGS(Light Gauge Steel=軽量鉄骨)を組み立てていく工事です。
別名で鋼製下地工事とも呼ばれることがあります。

昔はこの骨組みは木材で組み立てられていましたが、現在の建築物ではLGSが主流となっています。
木材に比べてLGSは、防火基準を満たすことができる、工事期間を短縮できる、工事単価も安価といったメリットがあるためです。

ボード工事(ボード張り)

ボード工事(ボード張り)

軽鉄(LGS)工事で骨組みを作った後、石膏ボードなどの下地の板を壁や天井に貼り付ける工事がボード工事です。
この下地のボードは、天井や壁に断熱・耐火・防音などの機能をもたせる役割を担っています。

代表的な素材は石膏ボードで、燃えにくい建材のため火災による延焼を防ぐ効果があります。
ボードには、耐火性と耐衝撃性を上げた強化石膏ボード、防水処理を施したシージング石膏ボード、吸音用穴あき石膏ボードなど様々な種類があります。 店舗の環境や用途にあわせて適切なものを選びましょう。

クロス工事(壁紙工事)

クロス工事(壁紙工事)

下地となるボードを天井や壁に貼り付けた後、下地の上に壁紙を貼る工事がクロス工事(壁紙工事)です。
凹凸が出たりシワが寄ったりしないように貼り付けていきます。

壁紙(クロス)はナチュラルなもの、高級感のあるもの、華やかなものなど、様々な色やパターン・素材が豊富にあります。
壁紙(クロス)は店舗の見た目や雰囲気に大きく影響を与えますので、店舗のコンセプトに合った壁紙を選んでください。

塗装工事

塗装工事

塗装工事とは、建物の壁や床、建具などにハケやローラーで塗装を行う工事です。
見た目を美しく整えるだけでなく、サビや腐食、ホコリの付着などを防ぐ効果があり、壁や天井の材質にあわせて下地や塗料を選定します。

左官工事

左官工事

左官工事とは、漆喰や珪藻土などを、壁や床にコテで塗り仕上げていく工事です。
漆喰(しっくい)や珪藻土(けいそうど)の他、壁土、モルタル、石膏プラスター、アクリル樹脂系など様々な塗り壁材があります。 職人の手仕事のため、技量に左右される面はありますが、壁紙にはない風合いや、手仕事ならではの仕上げの多様性が魅力です。

おしゃれで人気の高い打ち放しコンクリートの内装は、そのままでは劣化が早いことから、トップコートと呼ばれる保護材を塗ることがあります。こちらも左官工事の範囲になってきています。

床仕上げ工事

床仕上げ工事

床仕上げ工事は、フローリングやタイル、カーペットなどの床材を敷き詰めて床を美しく仕上げる工事です。
見た目の仕上げだけでなく、床の高さ調整を行ったり、空気の通り道の確保などの下工事も床仕上げ工事の範囲です。

床材にはフローリングに多い木材、汚れにくく耐久性も高いセラミックのタイル、コンクリートのような風合いのモルタル、クッション性のあるカーペット、和風の座敷に欠かせない畳など、色もデザインも様々な床材があり、壁材と並んで見た目や雰囲気を左右する重要な要素です。

建具工事

建具工事

ドアや窓、障子や引き戸などの建具を取り付けるのが建具工事です。
建具とは、部屋の仕切りや外部との仕切りに用いる、開け閉めできる扉・窓・ふすま・障子などの総称のことです。 建具の仕様やデザインによって、利便性だけでなく、お客様に与える印象も変わってきますので、店舗のコンセプトに合わせたデザインの建具を選びましょう。

特に、店舗の入り口となるエントランスのドアは、最初にお客様の目に触れる場所。お店の第一印象決める大事なポイントですので、好印象を与える魅力的なデザインにしたいところです。
入り口のデザインについてはこちらで詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。
魅力的な店舗入り口・ファサードをデザインするための5つの条件
集客力の高い店舗入り口の特徴。入りやすい飲食店を設計するコツ

家具工事

家具工事

家具工事は、家具や什器の取り付け・設置を行う工事です。
受付カウンターや、セルフサービスの飲食店によくある返却カウンターなど、主に作り付けで固定される家具や什器が挙げられ、既製品を取り入れることもありますが、現場の寸法に合わせた造作家具が制作されることもあります。
他にも、飲食店などでは厨房設備の設置が含まれることもあります。

まとめ

内装工事には多くの種類がありますが、今回は店舗を作る時の主な内装工事の種類と内容を解説しました。
今回紹介した工事をかんたんにまとめると以下のようになります。

・壁や天井などの骨組みを組み立てる軽鉄(LGS)工事
・下地の板を壁や天井に貼り付けるボード工事(ボード張り)
・下地ボードに壁紙を貼り付けるクロス工事(壁紙工事)
・壁や床のサビや腐食を防ぐ塗装を行う塗装工事
・漆喰や珪藻土を、コテで壁や床に塗り仕上げていく左官工事
・フローリングやタイルなどの床材を敷き詰める床仕上げ工事
・ドアや窓、障子や引き戸などの建具を取り付ける建具工事
・カウンターなどの造作家具を取り付ける家具工事

このように、内装工事にはどんな種類があるのか、どういった工事を行うのかを把握しておくことで、希望の内装に仕上げるためにはどのような内装工事が必要になるかイメージしやすくなります。 理想の店舗づくりのために、ぜひ参考にして下さい。

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記事の監修・執筆者

  • 株式会社ライフワン 古川原

    保有資格:
    2級建築士
    第2種電気工事士
    一般建築物石綿含有建材調査者
    石綿作業主任者

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