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執筆者:古川原

美容室の開業や改装を検討する際、「床材」は見落とされがちな存在です。
しかし、床はお客様の第一印象を左右し、スタッフの働きやすさや店舗全体の清潔感にも関わる、実はとても重要な要素。
この記事では、美容室におすすめの床材の種類や特徴、選び方のポイントを、実際の施工事例とともにわかりやすくご紹介します。
これから美容室を開業される方も、ヘアサロンのリニューアルを考えている方も、ぜひ参考にしてください。
実は重要!美容室の床が営業に直結する4つの理由
美容室の開業や改装を考えはじめたばかりの方にとって、「床」はインテリアの中でも優先順位が低く見える部分かもしれません。
実際、「壁紙や照明に比べて、床はそこまで目立たないのでは?」と思われがちです。
しかし、美容室にとって「床」は、デザイン性だけでなく、機能性・安全性・清掃性・スタッフの働きやすさにまで影響を与える、非常に重要な要素です。
見た目だけでなく、毎日の営業に直結する要素が詰まっているのです。
1. お客様の第一印象を左右する
サロンに足を踏み入れて最初に目に入るのは「床面」。
ツヤのあるタイルか、落ち着いた木目か、個性的なモルタル調か…その印象は、店舗の「世界観」や「価格帯のイメージ」にまでつながります。
2. カラー剤・パーマ液などの薬剤で汚れやすい
美容室では、毎日さまざまな薬剤が使われます。
床材の種類によっては、薬剤のシミや変色が落ちにくく、見た目がどんどん劣化していく可能性も。
3. 滑りやすさ・安全性がスタッフの動きやすさに関係する
床が滑りやすいと、お客様はもちろんスタッフも危険です。
特に美容院では、水や薬剤が床に落ちることも多いため、滑りにくい素材やクッション性のある床材が求められます。
4. 掃除・メンテナンスの手間が変わる
掃除がしやすい素材かどうかも、営業効率に大きく影響します。
ほこり・髪の毛・水滴など、美容室ならではの汚れに強い床材を選ばなければ、日々の清掃が負担に。
このように、見た目だけでなく機能性や耐久性、安全性など、ヘアサロンにおける「床」は店舗運営そのものに関わる要素です。
どんなにおしゃれな店舗でも、床が合っていないとお客様の印象が悪くなったり、スタッフの働きづらさが積み重なってしまったりします。
「あとから変えにくい」部分だからこそ、最初の床材選びは慎重に、そして戦略的に行うべきポイントなのです。
美容室におすすめの床材5選とその特徴
美容室において床材を選ぶ際は、デザイン性だけでなく、耐久性・メンテナンス性・安全性など、日々の営業を支える視点が欠かせません。
ここでは、美容院で多く採用されている代表的な床材5種類をピックアップし、それぞれの特徴とメリット・デメリットを紹介します。
1. クッションフロア(CFシート)
特徴
- 塩ビ素材でできた柔らかく弾力のあるフロア材
- 多様な色柄があり、木目調や石目調も表現可能
メリット
- 安価で導入しやすい
- 防水性・防汚性が高く、薬剤や水にも強い
- 柔らかいためスタッフの足腰に優しい
デメリット
- 傷がつきやすく、重い家具の跡が残りやすい
- 高級感にはやや欠ける場合がある
2. フロアタイル(塩ビタイル)
特徴
- クッション性のない硬質塩ビ素材のタイル型フロア材
- 石や木の質感をリアルに再現できる
メリット
- 耐久性・デザイン性ともに優秀
- 薬剤や水に強く、ヘアサロンに適している
- 汚れや髪の毛が掃きやすい
デメリット
- 床が硬いため、長時間立つと疲れやすい
- 冷たい印象を与えることもある
3. フローリング(木材/木目調)
特徴
- ナチュラルで温かみのある空間を演出
- 無垢材から複合フローリング、木目調のビニール材まで幅広い選択肢がある
メリット
- サロンの雰囲気に高級感と落ち着きを与える
- トレンド感のある内装にマッチ
デメリット
- 水や薬剤に弱く、メンテナンスが難しい素材もある
- 傷が目立ちやすい
4. 塩ビシート(長尺シート)
特徴
- 一体化して貼るため継ぎ目が少なく、防水性に優れる
- 店舗や公共施設で多く使われるフロア材
メリット
- 耐久性が高く、掃除もしやすい
- 滑りにくく安全性も確保しやすい
デメリット
- 素材の特性上、デザインがやや無機質になりがち
- 貼替えには専門的な施工が必要
5. モルタル風・コンクリート調仕上げ
特徴
- 無機質でスタイリッシュな印象を演出
- グレーやベージュを基調とした都会的なデザインに人気
- 男性向けのおしゃれな理容室・バーバーショップに多く見られる
メリット
- おしゃれで個性的なサロンに仕上がる
- 汚れや色ムラが目立ちにくく、メンテナンス性も◎
デメリット
- 床が非常に硬く、スタッフへの負担が大きい
- 滑りやすさに注意が必要(ノンスリップ加工推奨)
見た目のデザインだけでなく、スタッフの動線やメンテナンス性、安全性まで考慮して床材を選ぶことが、快適で魅力的な美容室づくりにつながります。
こうした床材選びで失敗しないために知っておきたい視点を、この次で解説していきます。
美容室の床材選びで失敗しないための3つの視点
美容室の床材は、インテリアの一部であると同時に、毎日の営業を支える実用的な設備でもあります。
ここでは「見た目だけで決めてしまった結果、あとで後悔…」という失敗を防ぐために、押さえておきたい3つの視点をご紹介します。
1. デザイン性だけで選ばず「機能性・耐久性」をチェックする
床材を選ぶ際、多くのオーナー様がまず重視するのは「おしゃれさ」や「サロンの雰囲気に合うか」です。
もちろん見た目は重要ですが、美容室は水や薬剤が飛び散る特殊な環境であることを忘れてはいけません。
- カラー剤でシミになりやすい素材ではないか
- 椅子や機材を動かしても傷が目立ちにくいか
- 人の出入りが多い場所で摩耗に耐えられるか
このような視点を持っておくと、内装が長持ちし、余計な修繕コストを防ぐことができます。
2. 水や薬剤に強い素材かどうかを確認する
美容室ならではの悩みが、床に落ちる水分や薬剤の汚れです。
たとえば、天然木のフローリングは雰囲気は良いものの、水に弱くシミや反りの原因になることがあります。
- パーマ液やカラー剤を落としても拭き取りやすいか
- 防水・防汚加工がされているか
- 薬品による変色や劣化に強いか
こうした点を考慮することで、毎日のお手入れのしやすさと美しい状態を長く保つことが両立できます。
3. スタッフの足腰に優しいか、安全性に配慮できるか
美容師は長時間立ちっぱなしで作業を行います。床材が硬すぎると足腰の負担が大きく、疲労や体調不良につながることも。
また、水で濡れることで滑りやすくなれば、お客様やスタッフにとって危険です。
- 適度なクッション性がある素材か
- 滑りにくい仕上げになっているか
- 掃除後でも安全に歩行できるか
デザイン性と同じくらい、働きやすさと安全性を意識することが、結果的に店舗運営の安定につながります。
「おしゃれ」「価格」「イメージ」だけで床材を選ぶと、営業が始まってから後悔するケースが少なくありません。
デザイン性に加え「機能性・耐久性」「水や薬剤への強さ」「スタッフやお客様の快適性と安全性」の3つの視点を取り入れることで、長く愛される美容院づくりが可能になります。
店舗設計施工.com
実際に選ばれている人気の床材・施工事例
美容室の床選びは、機能性だけでなく「お客様に与える印象」を大きく左右します。
ここでは実際の施工事例を参考に、人気の床材テイストとその特徴をご紹介します。
1. ナチュラルな木目調で温かみを演出
木目柄のフロアは、美容室に居心地のよさを与えます。
クッションフロアならコストを抑えて実現可能、フロアタイルならよりリアルな質感と耐久性が得られます。
「やさしい雰囲気」「落ち着いた空間」を演出したいサロンに人気です。
2. モルタルでスタイリッシュな印象
都会的でスタイリッシュな印象を与えるモルタル風・コンクリート調のフロア材は、若年層向けのサロンで注目されています。
インダストリアル系の内装や男性客の多いサロンでも好まれる傾向がありますが、ぬくもりのある木目と無機質なモルタルを組み合わせておしゃれに仕上げるデザインも人気です。
3. 石目調で高級感をプラス
大理石やタイル調の床は、ラグジュアリーな雰囲気を演出します。
クッションフロアならリーズナブルに導入でき、フロアタイルなら本物に近い高級感を出せます。
「特別感のあるヘアサロンにしたい」というオーナー様に選ばれています。
施工事例を参考にするときは、「この床材が何か」よりも「どんな雰囲気を出しているか」に注目すると失敗しにくくなります。
同じイメージでも、予算や耐久性の要望に合わせて クッションフロア、塩ビシート、フロアタイルといった素材を選び分けることが可能です。
まとめ
美容室の床材選びは、おしゃれさや耐久性だけでなく、日々の使いやすさや長期的なコストに直結します。
しかし、オーナー様の立場からは「本当にこの床で良いのか?」と判断に迷うことも少なくありません。
そこで力になるのが 専門家=プロの提案です。 内装の設計・施工会社は、現場経験や過去事例をもとに「この規模・この客層・このコンセプトなら、この床材が合う」という具体的なアドバイスをしてくれます。
自分だけでは気づけない落とし穴を避けられるのが大きなメリットです。
さらに、ひとつの会社だけでなく 複数の業者に見積もりを依頼して比較することが重要です。
- 材料や施工費用の相場感がつかめる
- 各社の提案内容の違いが見える
- 自分の希望に合った業者を安心して選べる
といった利点があります。
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記事の監修・執筆者
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株式会社ライフワン 古川原
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- 所有資格
- ・2級建築士
- ・第2種電気工事士
- ・石綿作業主任者
- ・一般建築物石綿含有建材調査者
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店舗設計施工.com運営担当の古川原です。施主様、店舗デザイン・内装工事会社様にも満足いただけるよう皆様をサポートさせていただきます。
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