飲食店の内装レイアウトの基本

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記事の監修・執筆者:古川原

飲食店の内装レイアウトの基本

お客様が過ごしやすく、スタッフが動きやすいのが理想の飲食店レイアウト。動線もスムーズな客席や厨房を作るためには、飲食店が知っておきたいレイアウトのポイントや注意点があります。
基本のレイアウトの考え方と応用編の工夫をご紹介しますので、参考にしていただければと思います。

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1.飲食店を構成するエリア4つを把握する

飲食店内は、客席、厨房、トイレ、そしてバックヤードの4つに分けることができます。お客様目線だと客席、トイレぐらいしか意識することはありませんが、スタッフエリアである厨房とバックヤードも非常に大切。
では、それぞれのエリアを詳しく解説していきましょう。

客席のレイアウト

言うまでもなく、飲食店にとってもっとも大切なのは客席でしょう。このエリアを使用するのはお客様ですし、客席数は売上に直結しますから、できるだけ大きな面積を割きたいところ。店舗内のレイアウトデザインでも非常に重要な要素です。

厨房のレイアウト

飲食店ですから、商品となる飲食物を作る厨房もまた非常に重要なエリア。調理のしやすさ、スタッフの動きやすさ、動線効率のよさなどで、最終的な売上にも関わってきます。

トイレをどこにどう置くか

案外お客様が見ているのがトイレ。客席から近すぎると使いにくく、遠すぎると目が行き届きにくくなるなど、意外と配置に悩むことの多いエリアです。
バリアフリー対応やパウダーエリアを設けるかなど、レイアウト上面積を必要とする場合もあります。

バックヤードの取り方

スタッフの働きやすさに直結する、休憩室、更衣室、倉庫、事務所といったエリアがバックヤードです。このレイアウトをしっかりしておくと勤務効率の向上、快適な職場環境づくり、良い人材の確保にもつながっていきます。
また、備品や食材の保管庫を設ける場合は、お客様の目につきにくくするなど、厨房などとの位置関係も考慮する必要があります。

2.飲食店のレイアウトの基本

店舗運営初心者の方にとって、店内レイアウトを考えるといっても非常に悩ましいところかと思います。見た目としての判断はついても、使い勝手や動線効率の良し悪しについては判断がつかないのが普通です。

身も蓋もないようですが、基本は既存店舗に学ぶことです。
ただし、人気店のレイアウトを参考にするのが必須です。そして開業する店舗と同じ業種、似たテイストの店舗をチェックしてください。

人気店は、例外はありますが、やはりレイアウトも良い店舗が多いです。何店舗か経営しているならば、より参考になります。新しく店舗がオープンする度に、既存店舗のレイアウトデザインやノウハウの蓄積が反映され、進化していくからです。

3.飲食店のレイアウトデザインにおける、押さえておくべきポイント

具体的に店内のレイアウトをデザインしていく際、いくつかの視点から考える必要があります。1つずつ考えていき、その後で複合的な視点からレイアウトを考えるのがおすすめです。

メインターゲットとなるお客様からレイアウトをデザインする

「客席」が主となる視点ですね。メインターゲットが30~50代の会社員の場合と、20~40代の子ども連れの場合、10~20代のカップルの場合などで、どんな客席が必要かということから考えていきます。これに加えて利用シーンの想定も併せて考えたいですね。
30~50代の会社員が出退勤時と隙間時間で利用することを想定しているのであれば、ちょっとしたデスクワークがしやすい高さのテーブルと椅子が必要。コンセントのついた1人がけ席を多めに用意したい。といった想定が生まれます。
子ども連れのランチ利用をメインに見込むのであれば、席と席の間隔は広く取ったり、座敷や小上がり席を導入するといった施策が考えられます。

飲食店のターゲット層イメージ

メインターゲットとなるお客様がご利用になりやすいレイアウトを敷くことで、お客様の再来店率アップも期待できます。しっかりと時間を取って、綿密に検討を重ねたい部分です。

お客様の動線からレイアウトを考える

お客様が、店内をスムーズに移動・行き来できること。これが飲食店のレイアウトにおける動線デザインでは必須です。具体的に言うと、出入り口から客席、客席からトイレやレジ、レジから出入り口などです。
入店されたお客様や退店されるお客様と食事中のお客様が接近しすぎないか、といった点にも気をつけましょう。店舗にとっては些細に思えることも、お客様の立場に立つと再来店したくなくなるようなマイナスポイントになってしまうことがあります。

スタッフの動線を考える

飲食店は比較的、スタッフの行き来が多い店舗です。お客様は客席にお座りのことが多くなりますから、むしろ動線という観点からは、スタッフ動線の方が重要と言ってもいいかもしれません。
スタッフが店内をバタバタ動き回っていると、お客様は落ち着きません。業務効率も悪くミスを誘発することにもなりますから、厨房から客席まで料理を運ぶ動線、食器類を厨房へ下げる際の動線、厨房とバックヤードの繋ぎ方などをしっかり設計しましょう。

清掃のしやすさを考える

店内清掃のイメージ

レイアウトデザインという印象がないかもしれませんが、掃除のしやすさは店舗運営にあたって非常に重要です。特に飲食店は食べ物、飲み物を提供する店舗ですから、衛生面でも掃除は行き届いていることが求められるからです。
店舗のきれいさを気にするお客様は多いです。そういった方は一度不衛生だ、不潔だとお感じになると、二度と来店してはくださいません。挽回する機会がないことなので、清潔をキープできるレイアウトデザインが欠かせないのです。
掃除がしにくいと業務の時間が取られて人件費増にもつながるため、清掃のしやすさは意外と重要なのです。

また、特に居抜き物件に多いのですが、水道、電気、ガスといったインフラ設備の位置を考慮に入れ、レイアウトデザインに制約がないかは事前に確認しておきましょう。コンセントの位置が動かせないので○○はここにしか置けない、といったことも往々にしてあります。

まとめ

飲食店のレイアウトデザインは、見た目の印象を左右するだけでなく、日々業務を回していく上での効率から考えても大変重要なステップです。
既存の人気店からも学びながら、お客様にとってもスタッフにとっても過ごしやすい店舗を実現できるよう、ポイントを押さえたレイアウトデザインを設計していきましょう。

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記事の監修・執筆者

  • 株式会社ライフワン 古川原

    保有資格:
    2級建築士
    第2種電気工事士
    一般建築物石綿含有建材調査者
    石綿作業主任者

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