店舗にぴったりの床材は?床材の種類と業種別のおすすめを解説

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記事の監修・執筆者:古川原

店舗にぴったりの床材は?床材の種類と業種別のおすすめを解説

耐久性や防汚性の高い床材、抗菌性がある床材など、様々な特徴の床材がありますが、業種・店舗によって適した床材が異なることをご存知でしょうか?
今回の記事では、店舗にぴったりの床材の特徴を種類ごとにまとめ、業種別のおすすめの床材についても解説します。
店舗の開業やリノベーションをお考えの施主様・オーナー様の参考になれば幸いです。

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店舗におすすめの床材

多数ある床材の中でも、特に店舗でよく採用されている代表的な床材をご紹介します。

フローリング

フローリングは、木材を使用して作られた床材です。
店舗・住宅問わず幅広く使用されている定番の床材で、断熱性に優れ、コンクリートの2倍の断熱性があると言われています。見た目にも木目の温かみのある空間を演出できる床材です。
デメリットとしては、耐水性が低く傷がつきやすいため、コーティング加工などを行う必要があります。

クッションフロア

クッションフロアは塩化ビニールから作られたクッション性のある床材です。
ご家庭ではキッチンやトイレのような水回りの床材としてもお馴染みですね。

耐水性があり、油などの汚れがついても拭き掃除がしやすくお手入れが楽な床材です。
様々なデザインがあり、価格も安いというメリットがありますが、ビニール系素材のため火や熱には弱く、フローリングに比べると経年劣化も早めです。

長尺シート(塩ビシート)

長尺シート(塩ビシート)

長尺シートとは、クッションフロアと同様に、塩化ビニール素材で耐久性の高い床材です。
クッションフロアよりも厚みがあって摩耗に強く、土足にも耐えるため公共施設でもよく採用されています。

消毒薬や薬品を扱う施設のために耐薬品性があるタイプや、ストレッチャーや配膳車などの重量物の移動に強いタイプなど、様々な機能性をもつシートが揃うのも特徴のひとつです。

フロアタイル

フロアタイル

フロアタイルは、樹脂で作られた薄い板状のタイルです。
クッションフロアと似ていますが、クッションフロアの厚みが1~3mm程度に対して、フロアタイルの厚みは5~6mmほどあり、土足にも耐える耐久性があるのが特徴です。

傷もつきにくくお手入れがしやすいため、汚れやすい飲食店の床材としても人気があります。
表面のコーティングで高級感のある加工が可能なため、上質な空間を演出したい店舗にもおすすめです。

カーペット

カーペット

ナイロンやポリプロピレン等で出来たカーペットは、保温性と吸音性に優れ、価格もリーズナブルな床材です。
足元が冷えづらく、衝撃も受け止めやすい素材なので、高齢者や子どもが利用する施設・店舗にもおすすめです。

店舗の床材となるカーペットは、主にロールカーペットとタイルカーペットの2種類です。
一枚仕立てで一体感のある床を演出するロールカーペットは、継ぎ目のない高級感からホテルのロビーや廊下で目にすることがあります。
その反面、部分補修が難しい、長さと重さによる輸送負担が大きいといったデメリットも。

タイル状のカーペットを敷き詰めるタイルカーペットは、足音が響きにくい吸音性からオフィスでよく使用されていますね。
汚れた場合の取り外しも簡単ですし、色柄の豊富さを活かして並べ方や組み合わせで様々な模様を描くことができます。 タイルカーペットを色分けして敷くことで、パーテーションを使うことなく視覚的にエリア分けを行う使い方もあります。

磁器タイル

磁器タイル

磁器タイルとは、陶磁器で作られた耐久性の高いタイルです。
吸水率が低いため、非常に固く汚れにくいというメリットがあり、店舗だけでなく外壁やビルの床タイル等にも使われています。

水洗いも可能なほど汚れや水に強いため、美容院などの水回りに使用しても安心です。
その高い耐久性で、長い期間美しい見た目を保ってくれるでしょう。 寒い時期は冷えやすくなりますので、暖房器具など足元の冷え対策を考慮する必要があります。

モルタル

モルタル

モルタルは、砂やセメント、水などを混ぜて練ったもので、コンクリートの下地の上にモルタルを塗って仕上げるのがモルタル床です。
コンクリートと似ていますが、大きな違いは砂利を混ぜないところです。そのため粒子が細かく、コテで仕上げれば洗練された滑らかな仕上がりの床になります。
インダストリアルなデザインとの相性も良く、リーズナブルにおしゃれな雰囲気の床にすることができます。

デメリットは、硬い材質のため長時間の立ち仕事は疲れやすいこと、音が響きやすく防音性に欠けること、経年でヒビが入りやすいことなどがあります。
冬場は冷えますので断熱対策も必要です。

業種別のおすすめ床材

飲食店、美容院、アパレル店舗など、業種によっておすすめの床材は異なります。
ここでは業種別の特徴に合わせた主な床材をご紹介します。

飲食店におすすめの床材

人の出入りが多く、土足利用も多い飲食店では、耐久性があり滑りにくい長尺シートや、清掃しやすく土足に強いフロアタイルがおすすめです。 食べこぼしや油はね・飛沫等により、水や油で床が汚れやすいため、汚れにくさや掃除のしやすさは重要なポイントです。

飲食店におすすめの床材

また、料理の配膳でスタッフが行き来する場合は、滑りにくさにも注目してください。防滑性に優れたタイプも多い長尺シートなら、リスクを減らして安全に料理を運びやすいでしょう。

美容院におすすめの床材

美容院では清掃性の高いクッションフロア、フロアタイルがおすすめです。
カットした髪の毛が落ちた床は都度掃除しなければいけませんし、カラー材やパーマ液のような薬剤の汚れもつく可能性があります。

美容院におすすめの床材

クッションフロアは立ち仕事が多い美容師さんの足腰の負担を軽減してくれるクッション性がありますし、耐水性に優れたフロアタイルは水が飛び散りやすいシャンプー台まわりでも安心です。

アパレル店舗におすすめの床材

素材よりデザイン性が重視されやすいアパレル店舗では、取り扱う商品のテイストやブランドイメージに合わせた雰囲気・質感のものを選びましょう。
長尺シート、フロアタイルあたりは、比較的どんなタイプの店舗にも対応しやすいのでおすすめです。 逆にほこりが舞いやすいカーペットは出来るだけ避けた方がいいでしょう。

アパレル店舗におすすめの床材

現代的で洗練された雰囲気を求めるならモルタル、レトロでクラシカルな雰囲気なら深い色のフローリングといったように、素材の質感を感じられるものを選ぶと、より一層味わいのある店舗デザインを目指すことができます。

まとめ

今回は店舗におすすめの床材を紹介しました。
フローリング、クッションフロア、長尺シート、フロアタイル、カーペット、磁器タイル、モルタルなど様々な床材がありますが、それぞれ異なる特徴やメリット・デメリットがあります。
店舗のコンセプトや雰囲気に合ったデザイン性はもちろん大切ですが、床材選びで失敗しないためには、業種の特徴にあった機能性を持つ床材を選ぶことが重要です。
業種の特徴と床材の特徴を踏まえて、デザイン性とメンテナンス性のバランスを考慮した床材を選びましょう。

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記事の監修・執筆者

  • 株式会社ライフワン 古川原

    保有資格:
    2級建築士
    第2種電気工事士
    一般建築物石綿含有建材調査者
    石綿作業主任者

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