コロナ収束後の店舗開業、飲食店が気を付けるべきポイント・注意点とは

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記事の監修・執筆者:古川原

コロナ収束後の店舗開業、飲食店が気を付けるべきポイント・注意点とは

厚生労働省の発表により2023年3月13日からマスクの着用が個人の判断にゆだねられ、WHOも3年以上続いた新型コロナウイルス感染症による緊急事態宣言を5月5日に終了すると宣言。少しずつ日常が戻ってきました。2020~2021年は飲食店の営業自粛や倒産が相次ぎましたが、2023年5月時点では客足も戻り、活気を取り戻しつつあります。
とはいえ、新型コロナウイルス感染症によって消費者意識は大きく変化し、コロナが収束しつつある現在も飲食店の店舗開業に様々な影響を与えています。そこでコロナ収束後の店舗開業で注意すべき点やポイントについてまとめました。

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コロナで変わった消費者意識

コロナ前とコロナ後の消費者意識がどのように変化したのか理解しておくことで、店舗開業に求められる条件を知ることができます。

1.他のお客様との距離感

コロナ前と比べて大きく消費者意識が変わったのは「他のお客様との距離感」ではないでしょうか。感染を防ぐために他のお客様となるべく接触しないようにする意識が強まり、狭いお店や席間隔が密なお店は敬遠されるようになりました。個室を設置するなど、他のお客様と適度な間隔を設けたお店の人気が高まっています。

コロナ騒ぎが収まってきたとはいえ、まだ感染のリスクはあります。また、広く間隔を取った座席に慣れたお客様は他人との距離が近いお店に嫌悪感を抱くかもしれません。
今度もしばらくはパーソナルスペースをしっかり確保したお店に需要が集まる可能性が高いので、店舗開業の際には留意しておくと良いでしょう。

他のお客様との距離感

2.テイクアウト・デリバリーの定着

新型コロナウイルス感染症拡大によって外食を自粛する人が増加し、代わりにテイクアウト(持ち帰り)やデリバリー(宅配)サービスを利用する消費者が増えました。
総務省の「家計消費状況調査」によれば、2020年のインターネットを利用した出前サービスは前年比2倍以上に成長。デリバリーに特化した「ゴーストレストラン」を設置する企業も増えています。

出前サービス(全国・二人以上の世帯1ヶ月分の支出額)

出典:中小企業庁「ミラサポplus」

手軽に自宅で本格的な料理が楽しめるデリバリーやテイクアウトは、消費者にイートインだけではない外食の楽しみ方を提供しています。
今後もデリバリーやテイクアウトの人気は継続していくと見られていますので、店舗開業の際にはテイクアウトやデリバリーに対応することも検討してみましょう。

3.求められる非日常感

新型コロナウイルス感染症拡大によりテレワークの普及や外食自粛など、家にこもる生活が長く続きました。
コロナ収束後はその反動で、「非日常感」を求めて外に出かけるお客様が増えると予想されます。飲食店の店舗開業には、自宅では味わえないような料理やパフォーマンス、店舗デザイン、サービスなどが求められることを考えておきましょう。

コロナ収束後の店舗開業で注意すべき点

コロナ収束後の店舗開業において、注意すべき点とポイントを紹介します。

1.お客様同士や店員との接触をなるべく減らす

座席と座席の間隔はコロナ前よりも広く取ることを心がけましょう。2023年5月8日から感染対策は個人・事業者の判断が基本となりましたが、「三つの密」の回避や人と人との距離の確保は感染症対策として有効とされています。

飲食店においては、飛沫を物理的に遮断できるパーテーション(仕切り)を設置したり、座席の間隔を空けたりといった対策が、コロナ後も引き続き求められるでしょう。また、新たなウイルスが流行した際にも、座席の間隔を広く取っておけば対策しやすいというメリットがあります。

そのほか個室やテラス席を設置する、セルフレジやキャッシュレス決済を導入するなど、お客様同士や店員との接触・接近をなるべく減らしたお店づくりを意識して店舗開業すると良いでしょう。

2.換気設備を強化する

新型コロナウイルス感染症拡大により、店内の換気が重要視されるようになりました。換気方法は窓などを開けて行う「自然換気」と機械で強制的に換気を行う「機械換気」に分けられます。

また機械換気は、給気と排気の両方を機械で行う「第1種機械換気」、給気は機械・排気は自然で行う「第2種機械換気」、給気は自然・排気は機械で行う「第3種機械換気」があり、飲食店の場合は第3種機械換気が使われることが多いです。
換気が不十分だと感染症対策が心配なだけでなく、ニオイや煙がこもってお客様に不快な思いをさせてしまいます。店舗開業の内装工事では換気設備にも注目してみましょう。

3.テイクアウトやデリバリー用の受け渡し口を設置

先にも述べた通り、今後もテイクアウトやデリバリーの需要は継続すると見られます。
店舗開業時にあらかじめテイクアウトやデリバリー用の受け渡し口を設置しておけば、お店の外側でお客様に待ってもらうことができますので、入り口付近の密を緩和することができます。
また、新たなウイルスが流行してイートインが減ったとしても、デリバリーやテイクアウトがあればお店の運営を継続していくことができますので、リスク回避にも役立ちます。

4.非日常感を取り入れたお店作り

非日常感を取り入れたお店作り

長らく外食から離れていたお客様を取り戻すためには、日常生活では味わえないようなものをお店に取り入れる必要があります。
たとえば、テイクアウトでは味わえないような手の込んだ料理に、おしゃれな内装の店舗デザイン、あっと言わせるサービスなど、日常生活にはないものを提供することで「やっぱりお店で食べるのが一番」だと思わせることができます。
これから店舗開業を考えるなら、外食の良さを再認識してもらえるようなお店づくりを目指しましょう。

まとめ

新型コロナウイルス感染症拡大によって消費者意識や生活様式が大きく変化しました。コロナ後の店舗開業には、お客様同士の接触をなるべく減らす、テイクアウトやデリバリーサービスの提供、非日常感を取り入れた店舗デザインなど、コロナ前とは違った対策が必要になります。
また、コロナが収束しつつあるとはいえ、基本的な感染症対策は必要です。店舗開業のタイミングに合わせて非接触の水栓やテラス席など、感染対策になるような機器やスペースを導入してみるのもおすすめです。
店舗開業時のタイミングでコロナ対策を万全にしておけば、またいつ新たなウイルスが流行ったとしても感染症に負けない飲食店になるでしょう。

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記事の監修・執筆者

  • 株式会社ライフワン 古川原

    保有資格:
    2級建築士
    第2種電気工事士
    一般建築物石綿含有建材調査者
    石綿作業主任者

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