上がり框(あがりかまち)とは?設置するメリットや素材・デザインについて

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記事の監修・執筆者:古川原

上がり框(あがりかまち)とは?設置するメリットや素材・デザインについて

店舗では、靴を脱いで上がる個室などで採用されることの多い上がり框(あがりかまち)。
この記事では住宅における上がり框についてまとめていきますが、ご自宅や身近なお宅に上がり框がある方は、ぜひ実際の利用シーンを思い浮かべながらお読みいただければと思います。
店舗への上がり框の導入をお考えの方は、きっとイメージが掴みやすいと思います。

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上がり框ってなに?

上がり框とは、玄関のたたき(土間)と玄関ホールとの境目にある、段差部分に取り付けられた横向きの部材のことです。日本では家に上がるときに靴を脱ぐのが一般的ですが、上がり框がないと、どこで靴を脱いで上がればいいのか分かりづらくなりますね。

近年はバリアフリー化が推奨され段差も小さくなっていますが、昔はこの段差に座っておしゃべりを楽しむなどコミュニケーションの場として活用されていたようです。

上がり框を設置するメリット

上がり框を設置するメリットは主に4つあります。

1.家の外と内の境目が分かりやすい

上がり框があることで、ここからは靴を脱ぐ/履くという境界をはっきりと示すことができます。

2.泥や砂などが家の中に入りにくい

段差を設けているので、靴に付いた泥や砂などの汚れが家の中に入るのを防いでくれます。また埃や雨(水)、湿気などの侵入も防ぎやすいでしょう。

3.素材の選び方で玄関をおしゃれに見せることができる

上がり框の素材は木材のほかタイルや石材などがあり、形やデザインのバリエーションも豊富です。
玄関のアクセントとして上がり框をデザインすれば、おしゃれな玄関を演出することができます。

上がり框イメージ

4.段差に座って靴紐などが結びやすい

段差の高さによりますが、30cm程度の高さがあればブーツなどを座って履くことができるので便利です。

上がり框を設置するデメリットは?

では、上がり框を設置するとどのようなデメリットがあるのでしょうか。

1.バリアフリーにならない

上がり框の一番のデメリットはバリアフリーにならないことです。車いすのまま中に入ることが困難なため、スロープなどを別で用意する必要があります。

2.転倒などのリスクがある

特にお年寄りや小さいお子さんのいるご家庭では、上がり框の段差につまずいて転倒するなどのリスクがあります。そのようなお宅では上がり框の段差をなるべく低くすることでリスクを軽減できます。

3.コストがかかる

上がり框を設置するための工事費や材料費、デザイン料などがかかります。

上がり框に適した素材

上がり框の素材には、木材や石材、タイルなどが使われます。玄関ホールかたたき、どちらかの素材に合わせるのが一般的です。
木材の場合はケヤキやヒノキ、タモ、サクラ、ニレ、カエデなどが使われます。石材では大理石や御影石が人気。モザイクタイルを並べて、模様を作るのも可愛らしい雰囲気が出せるのでおすすめです。
上がり框は足を踏み込むときに荷重がかかりますので、丈夫で耐久性に優れた素材を選ぶようにしましょう。

上がり框のデザイン

デザインは直線、斜め、曲線、L字、二段框など実にバリエーションが豊富。予算と相談しながら決めましょう。

上がり框のデザイン

直線・ストレート型…一番よく採用されているタイプ。玄関をすっきり見せたいときにおすすめです。

斜め…斜めにすることで奥行き感が生まれ、玄関を広く見せることができます。

曲線・アーチ型…やわらかいイメージ、楽しいイメージを出したいときに使われます。

L字…玄関にある程度の広さが必要ですが、土間収納を設けるなどフレキシブルな使い方が可能です。

二段框…框の高さがある場合、二段にすることで昇り降りの負担を軽くすることができます。

上がり框の高さの決め方

近年バリアフリー化が進み、上がり框の高さは18cm以下が増えています。国土交通省の「高齢者が居住する住宅の設計に係る指針」においても、戸建て住宅は18cm以下、集合住宅では11cm以下が推奨されています。
以前の戸建て住宅は30cm程度が多かったのですが、昇り降りの負担が大きく転倒などのリスクもあります。どうしてもその高さにしたい場合は、手すりや踏み台などを設置することで安全性がカバーできます。

まとめ

上がり框はそれほど大きな部材ではないにも関わらず、玄関で大きな存在感を示しています。
高さやデザインで使い勝手も大きく変わってきますので、店舗での導入をお考えの方はお客様の安全性や昇り降りのしやすさなども考慮しながら、素材や形にこだわってデザインイメージを膨らませてみましょう。

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記事の監修・執筆者

  • 株式会社ライフワン 古川原

    保有資格:
    2級建築士
    第2種電気工事士
    一般建築物石綿含有建材調査者
    石綿作業主任者

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