プレハブ工法とは?店舗に採用したいなら押さえておきたいメリット・デメリットや注意点を解説

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記事の監修・執筆者:古川原

プレハブ工法とは?店舗に採用したいなら押さえておきたいメリット・デメリットや注意点を解説

「プレハブって店舗にはどうなんですか?」「コンテナハウスとかユニットハウスは、プレハブとはどう違うんですか?」といったご質問をいただくことがあります。そこで今回は、プレハブ工法についてまとめることにしました。

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プレハブ工法とは何か

まず、プレハブ工法の概要から。プレハブ工法は建築工法の一種で、建築物の一部もしくはすべての部材を工場で製作しておいて、現場で組み立てるものを指します。対する言葉は在来工法、従来工法など。
ちなみに、プレハブはプレファブリケーション(pre:あらかじめ、fabrication:製作すること)の略です。

プレハブ工法の分類イメージ

似た単語としてシステム建築がありますが、こちらはあらかじめ建築部材の寸法や形などを統一して施工するものですので、部材を工場で事前製作するプレハブ工法とは少し意味合いが異なります。
プレハブ工法には、次の3つの工法があります。

1.木質系

木質パネルを主要構造部材に用いるタイプです。

2.鉄鋼系

軽量鉄骨を主要構造部材に用いる工法。軽量鉄骨という素材上サビが出やすいため、部材には防錆塗装をすることが多いです。

3.コンクリート系

プレキャストコンクリート(PC)と呼ばれる、コンクリートの壁パネルを用いた工法のことです。

プレハブ工法のメリット

工期が短いことと低コストなことが、プレハブ工法の大きなメリットです。工事が早くて費用も安いとなると、やはり店舗開業をする上で魅力的ですよね。

現場での作業が少なく、工場で部材の製作など多くの工程を行うプレハブ工法。このため建築現場の天候に左右されにくく、短工期であるというメリットがあります。部材は工場で大量生産されることが多いため、材料費のコストカットにもつながります。
そして、工期が短いということは人件費や雑費も節約できるということです。

プレハブ工法の建物イメージ

また、現場では設置・組み立てを行うだけであることも特徴のひとつ。在来工法に比べスピーディーに建てることができるだけでなく、現場で作業をする人員に熟練の専門技術は不要です。仕上がりやデザインは在来工法よりも均一的になる代わりに、現場の作業担当者が誰かに関わらず仕上がりのクオリティが一定しやすいというわけです。

店舗の話からは外れますが、上記の特徴は、災害時の応急仮設住宅としてプレハブ住宅が採用される大きな理由でもありますね。素早く誰にでも建てやすいことは、緊急時に大きなアドバンテージです。

プレハブ工法のデメリット

デザインやレイアウトの自由度が低いことが、プレハブ工法で店舗を構える上での大きなデメリットです。規格化された部材の組み合わせとなるため、デザイン的な希望がある場合はプレハブ工法で店舗を構えるのは厳しいでしょう。

それから、土地の形状によってはプレハブ工法を採用できないことがあります。また、在来工法等に比べて建物の寿命が短いこともデメリットですね。

プレハブ工法の注意点

プレハブ工法で店舗を構える時も、在来工法と同様に建築確認申請を行い、建築基準法に適合させる必要があります。

建築工法の話ではなくなりますが、各種手続きももちろん必要。飲食店であれば保健所の検査を受けて許可をもらうなど、業種により必要になる手続き・届け出は異なります。細かい内容は行政により異なることも多々ありますので、必ず事前に所轄の保健所等へ問い合わせておきましょう。

プレハブ工法とコンテナハウス、ユニットハウスの違い

コンテナハウスイメージ

コンテナハウスもユニットハウスも、プレハブ工法の一種です。ただし工場で完成に近い形まで組み立ててから現場へ運搬する点が特徴です。コンテナハウスをクレーンで吊っているところや、大型トラックの荷台に載せて輸送しているところを見かけた経験がおありの方もいらっしゃるかもしれませんね。
そして、ユニットハウスは軽量鉄骨、コンテナハウスは重量鉄骨と、建材が異なります。

プレハブ工法で店舗をオープンするのは在来工法に比べ短工期ですが、コンテナハウスやユニットハウスはさらに工期が短くなります。

まとめ

プレハブ工法で店舗を建てる場合、凝ったデザインは実現しにくいものの、メリットはたくさんあります。
ハイシーズンが明確な業種で開業を急ぎたい方や、ある時期にどうしても間に合わせたいといった場合には短工期でオープンできる点は大変魅力ですし、コスト面に優れることが多いため費用を重視される方にもかなり嬉しいでしょう。

また、プレハブ工法の店舗を検討されており、ユニットハウスやコンテナハウスも同時に視野に入れているという方もいらっしゃいます。連棟にしたり、将来的に店舗の広さを拡張したいとお考えの方が多い傾向ですね。
店舗を開業するにあたり、工事にかかる期間と費用は大きな要素です。デメリットも踏まえた上で、候補のひとつに入れることを考えてみるのも手だと思います。

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記事の監修・執筆者

  • 株式会社ライフワン 古川原

    保有資格:
    2級建築士
    第2種電気工事士
    一般建築物石綿含有建材調査者
    石綿作業主任者

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