居心地の良いカウンター席の高さ・サイズ・形の選び方を解説

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記事の監修・執筆者:古川原

居心地の良いカウンター席を作る上で欠かせない「高さ・サイズ・形」の選び方について解説。

飲食店にとってカウンター席はお店の顔とも言われており、こだわりや個性を発揮しやすい場所です。さらに、コロナ禍以降ひとりで飲食されるお客様が増えていることから、カウンター席の居心地をいかに良くするかが、お店の単価アップやリピートにつなげるための重要なポイントになっています。
デザイン性だけにこだわってカウンター席を作るとお客様の満足度を下げてしまう原因に。そこで居心地の良いカウンター席を作る上で欠かせない「高さ・サイズ・形」の選び方について解説します。

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1.カウンター席のメリット

カウンター席の一番の魅力は店員とお客様の距離が近いことです。
多くの飲食店ではカウンター席から厨房が見える造りになっていますので、お客様にとっては目の前で調理している様子などを見ることができ、ちょっとしたエンターテインメントが楽しめます。また、調理の様子を確認できることは安心感にもつながります。

お店にとってのメリットは、お客様とのコミュニケーションがとりやすいことと接客のしやすさが挙げられます。お客様の様子が確認しやすいため注文や食器を下げるタイミングを逃しにくく、お客様の満足度を向上できます。

カウンター席のメリット

2.カウンター席のデメリット

厨房の近くにカウンター席を設けた場合、お客さまから厨房の様子がよく見えます。これは言い換えれば「丸見え」になってしまうということ。汚れた食器や生ごみなど、お客様にあまり見せたくないものまで見えてしまいます

また、お客様にとっては隣の客との距離が近いため、居心地の悪さやくつろぎにくさを感じてしまう可能性も。特に新型コロナウイルスの感染拡大以降は、距離が近いことに嫌悪感を抱くお客様が多いため注意が必要です。

3.居心地のよいカウンター席を作る3つのポイント

居心地の良いカウンター席を作る上で欠かせないポイントは次の3つ。

1.お客様に不快感を与えないカウンターの高さ
2.隣の人との距離感や皿の置きやすさを考慮したサイズ
3.お店の雰囲気や目的に合ったカウンターの形
順番に見ていきましょう。

3-1.お客様に不快感を与えないカウンターの高さ

カウンター席の高さにはロー・ミドル・ハイの3種類があります。カウンター席の高さはお客様の居心地を左右しますので、慎重に選びましょう。

ローカウンター…高さ70cm程度のカウンターで、一般的なダイニングテーブルと同じ高さです。ローカウンターは足がしっかりと床に着くため、長時間座っていても居心地の悪さを感じません。ゆっくりお酒を飲みながら食事を楽しんでほしい居酒屋などに適しています。
ただし、厨房からお客様を見下ろすような体制になるため、厨房側の床を一段低くするなど威圧感を与えないような工夫が必要です。

ミドルカウンター…高さ95cm前後のカウンターを指し、椅子に座ったお客様のつま先がギリギリ床に着くくらいの高さです。高身長の人には座りやすい高さですが、ミドルカウンターの高さに合った椅子が少ないことがデメリットです。
ローカウンターと比べて座り心地は落ちるものの、ラーメン店など回転率を上げたい飲食店には向いています。

ハイカウンター…高さ105cm程度のカウンターで、バーや立ち飲みのお店でよく見かける高さです。
お客様とスタッフが同じ目線の高さになるため、コミュニケーションがとりやすいのがメリット。ただし、長時間座るのには適していないため、食事よりもお酒を提供するお店に向いているでしょう。

お客様に不快感を与えないカウンターの高さ

3-2.隣の人との距離感や皿の置きやすさを考慮したサイズ

隣同士で座るカウンター席は、お客様に窮屈な印象を与えてしまいがち。パーソナルスペースをしっかり確保することが居心地を良くする上で欠かせません。特にコロナ禍以降、お客様同士の距離が近い飲食店は敬遠されることが多くなりました。
目安として、座席の幅は1人あたり60cm程度確保するようにしましょう。できれば75~90cm程度確保したいところです。
賑やかなお店にするために、あえて60cmよりも狭くするケースもあります。

一方、カウンター席の奥行きは料理の配置のしやすさに関わってきます。提供する料理の内容によっても適したカウンターの奥行きは違いますが、一般的には45cm以上が望ましいとされています。自分のお店が提供したい料理の品数やお皿の大きさも考慮して奥行きを決めると良いでしょう。

3-3.お店の雰囲気や目的に合ったカウンターの形

高さと同様にカウンターの形にはI字型、L字型、コの字型の3種類があります。どの形を選ぶかは、お店の雰囲気や目的などに合わせて考える必要があります。

I字型カウンターの特徴…I字型カウンターはお客様が一列に並んで座り、お店のスタッフと対面式になっているのが特徴です。お客様とのコミュニケーションがとりやすいことから、バーやカフェなどカジュアルな雰囲気のお店によく合います。
費用面も抑えることができ、スペースの限られたお店にも設置しやすいため、もっとも採用されているカウンターです。

L字型カウンターの特徴…一直線のI字型に側面も付け加えたのがL字型カウンターです。I字型よりもゆったりとした雰囲気が演出できるため、割烹など落ち着いた飲食店に向いています。
お客様は正面からだけでなくサイドからも調理の様子が見られることから、鉄板焼き・寿司などパフォーマンスを見てもらいたいお店にもおすすめです。ただし、設置スペースはI字型より多く必要です。

コの字型カウンターの特徴…調理スペースの三方を取り囲むように作られるコの字型カウンター。真ん中に店員がいることから多数のお客様に目が届きやすく、またお客様同士の距離が近いのでコミュニケーションが活発になりやすいのが特徴です。わいわいにぎやかに飲食してもらいたい大衆居酒屋などに向いています。

まとめ

カウンター席の高さ・サイズ・形を選ぶ上で共通して言えることは、お客様目線に立って考えるということです。実際にお店でカウンター席に座ってみて、居心地が悪い・不便だと感じた点を考慮することが成功につながります。

たとえば、カウンター席は荷物の置き場所がないことが多いため、カウンター下に荷物置き場を設置したり、ハイカウンターの場合は椅子に足置き場を設けたりするだけでも居心地が変わってきます。
居心地の良いカウンター席を作り、お客様の満足度を向上させましょう。

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記事の監修・執筆者

  • 株式会社ライフワン 古川原

    保有資格:
    2級建築士
    第2種電気工事士
    一般建築物石綿含有建材調査者
    石綿作業主任者

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