デザイン設計事務所に依頼できることは?業務内容や工務店との違いについて

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記事の監修・執筆者:古川原

デザイン設計事務所に依頼できることは?業務内容や工務店との違いについて

店舗づくりの依頼先としてデザイン設計事務所を選んだ場合に、どこまでやってもらえるのか、施工は依頼できるのかといった疑問が生じるかと思います。
そこで、デザイン設計事務所の業務内容や工務店との違い、どんなときにデザイン設計事務所を選ぶべきかといった内容についてまとめていきます。店舗デザインや設計・施工の依頼先で悩まれている方はぜひ参考にしてください。

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デザイン設計事務所とは

建築設計において、意匠(デザイン)設計の分野を専門としているのがデザイン設計事務所です。意匠設計というと見た目のデザインを思い浮かべがちですが、それだけではありません。
意匠設計は施主様の要望を聞き、建築物の使われ方や役割などを理解した上で外装や内装の使い勝手を良くしたり、建築基準法などを順守したりすることも求められます。さらに、お店のコンセプト設計や、看板・ロゴのデザインなども業務に含まれます。

建築設計には意匠設計のほかに、構造設計と設備設計があります。
構造設計:建築物が自重や地震・風・積雪などによって倒壊することがないように設計を行うこと
設備設計:電気、空調、換気など設備に関する設計を行うこと

意匠設計はデザインに関する決定権が強く、プロジェクト全体を指揮する役割も担います。また、工事監理についても意匠設計者が行うことが多いため、工事が完了するまで携わります。

工事監理とは

工事監理とは設計図書(せっけいずしょ、せっけいとしょ)の通りに工事が行われているかどうかを確認し、欠陥の発生を未然に防ぐことを目的とした重要な業務で、「建築主は建築士である工事監理者を定めなければならない」ことが建築基準法で決められています。
また建築士法では「工事監理とは、その者の責任において、工事を設計図書と照合し、それが設計図書のとおりに実施されているかいないかを確認すること」と規定されています。
工事現場を動かす「工事管理」とは別物ですので、間違わないようにしましょう。

出典:国土交通省「工事監理制度の概要」[PDF]

工事監理イメージ

アトリエ系と組織系

デザイン設計事務所は「アトリエ系」と「組織系」の2つの通称で分類されることがあります。それぞれの特徴を知った上で、どちらが自分の希望とマッチしているかを考えて依頼先を決めましょう。

アトリエ系設計事務所

建築家自身が代表となり、少数精鋭の人材で構成されるアトリエ系は、建築家個人の作家性を強く反映した設計が特徴で、よりデザイン性にこだわりたいときの依頼先におすすめです。
設計やデザインの自由度が高く、狭小地や高低差のある土地などであっても柔軟に対応してもらいやすいでしょう。決まったプランはないため、施主様の希望や予算に合わせて、ゼロから設計してもらえます。

組織系設計事務所

組織系設計事務所は、自社で意匠設計だけでなく建築構造、建築設備の設計も行えるのが特徴です。
会社の規模が大きい点を活かし、大規模なプロジェクトでも自社でトータルに請け負います。設計士も数多く所属しているので、1つの会社で様々な設計業務に対応できる点が強みでしょう。もちろんアトリエ系同様、ゼロから設計してもらうことができます。

組織系設計事務所イメージ

デザイン設計事務所に施工は依頼できる?

デザイン設計事務所は設計業務を専門としているため、基本的には施工までは行わないところが多いです。とはいえ、心配無用です。
多くのデザイン設計事務所は施工会社とのつながりがあるため、工事内容に合った施工会社を何社か紹介してもらえます。おすすめの施工会社を聞けば、過去の実績なども含めて紹介してくれるでしょう。
もちろん、自分で見つけたい、または懇意にしている施工会社に頼みたい場合も問題ありません。その場合は、デザイン設計事務所から紹介してもらった施工会社と、自分で探した施工会社で相見積もりを取って比較するのがおすすめです。

自分で施工会社を探すなら店舗設計施工.comもぜひご活用ください。
「内装・設計・施工デザイン会社一覧」ページから地域と業種を選択し、「設計・施工範囲選択」の項目で「建築施工」や「内装施工」を選んでいただくと、施工できる会社を絞り込むことができます。過去の事例も写真付きで掲載されていますので、その会社がどんな設計・施工に強いのかといったことがひと目で分かります。

施工会社の検索はこちらから

対応可能地域や設計・施工範囲などで絞り込み検索ができます。

工務店とデザイン設計事務所の違い

店舗づくりの工程は大きく分けて「設計」と「施工」があり、設計の部分を担うのがデザイン設計事務所、施工の部分を担うのが工務店です。
工務店にも種類があり、自社で設計から施工まで行う工務店や、施工だけに特化した工務店、ハウスメーカーの下請けを専門としている工務店などがあります。
工務店は一般的に狭いエリアで営業活動を行うため地域密着型の企業が多く、その土地の特徴や気候などにも詳しいでしょう。また、何かあったときでも素早い対応が期待できます。
さらに、工務店はデザイン設計事務所に頼むよりもコストが抑えられ、竣工までの期間も短い傾向があります。 居抜き物件をそのまま改装して開業するケースなど、あまり凝った店舗デザインは必要ない場合の依頼先としておすすめです。

まとめ

デザイン設計事務所の業務内容と、工務店との違いについて解説しました。
デザイン設計事務所と工務店、どちらに依頼するかはケースによって異なります。それぞれの特徴を理解した上で、自分の要望に合った企業を選びましょう。

デザイン設計事務所に依頼した方が良いケース

  • 店舗デザインにこだわりたい
  • 既存店舗にはないような設計を希望している
  • 工期が多少かかっても問題ない

工務店に依頼した方が良いケース

  • 店舗開業まであまり時間が取れない
  • コストを抑えたい
  • 店舗デザインにはあまりこだわらない
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記事の監修・執筆者

  • 株式会社ライフワン 古川原

    保有資格:
    2級建築士
    第2種電気工事士
    一般建築物石綿含有建材調査者
    石綿作業主任者

    記事の監修・執筆者近影

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