図面記号とは?店舗の内装デザイン・工事でよく見る図面記号を解説

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記事の監修・執筆者:古川原

図面記号とは?店舗の内装デザイン・工事でよく見る図面記号を解説

店舗や内装のデザインで必ず出てくるのが建築図面。店舗を初めて開業する方は特に、見慣れない図面記号や用語が多いと思います。住宅を建てたりマンションのリノベーションなどの経験がある方はある程度図面記号にも慣れていると思いますが、店舗だと、一般住宅ではなかなかお目にかからないものも出てきます。
この記事では店舗デザインの際、図面上でよく見る記号を画像と合わせてまとめていきます。図面の見方が分からない方や、図面に慣れたい方の参考になれば幸いです。

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1.図面記号とは何か

設計図面上には、ドアや窓の位置、寸法といった様々な情報が書き込まれています。これを図で表したものが図面記号です。図面記号があることで、建具の実際の形状やドア・窓の開き方などが明示されます。

図面記号には数多くの種類がありますから、施主様という立場では、あらゆる記号に精通している必要はありません。ですがよくある図面記号を把握しておいたり、図面を見ることに慣れておけば、店舗の設計に対する理解が早くなります。図面を見て、内装全体をある程度立体的にイメージできるようになると、空間全体の構築を進めていく上でとても有利です。

2.ドアまわりの図面記号

店舗内装において、ドアはとても重要です。出入り口となるドアはもちろん、個室があるような店舗では特に、それぞれのドアの位置、開き方もお客様・スタッフの動線に大きく関わるからです。機能面だけでなく、存在感もありますから、デザイン面からもどんなタイプのドアを選ぶかは大切です。
ドアは店舗内に複数あることも多いものですから、図面上でも各ドアについて把握しておくようにしましょう。

図面記号イメージ

こちらの画像は、片開き戸、両開き戸、スイング扉それぞれの図面記号と写真例です。
片開き戸は、ちょうつがい(ヒンジ)で止められた部分を軸に、1枚の扉が弧を描いて開閉するドア。玄関部分や室内など、様々な場所で使われます。
両開き戸は左右2枚の扉の中央が開閉するタイプ。外部からの出入り口に使われることが多いです。開口部を大きく取ることができるので、サイズの大きな荷の出入りが想定される場所にも使われますね。
スイングドアは、一般住宅ではほとんど見られないドアです。事由扉、自在扉とも呼ばれ、内・外のどちらにも開閉でき、なおかつ自然に閉まるのが特徴。出入りの多い場所などに使われることが多く、バックヤードとフロアの間仕切りなどでよく見られます。

ドアまわりの図面記号例

こちらは引き戸の例です。両引き戸、引き込み戸の図面記号と写真例、片引き戸と引違い戸の図面記号になります。
両引き戸と片引き戸は、どちらも枠のレールなどに沿って扉を左右に動かすことで開閉するタイプの引き戸。扉が2枚の場合を両引き戸、1枚の場合を片引き戸と呼びます。

引き違い戸は、2枚以上の扉が枠のレールなどに沿って左右に動かせるタイプ。和室の押し入れ収納の戸を想像していただくと分かりやすいでしょう。
引き込み戸は戸袋を備えているタイプ。引き戸を開けた時、壁の中に扉が引き込まれるので引き込み戸と言います。日本家屋でよく用いられており、料亭などでもよく見かけます。

3.窓まわりの図面記号

窓もドアと同じく色々な開き方があり、図面記号によって表されます。こちらの画像はFIX窓の写真例と図面記号、そして両開き窓、片開き窓、片引き窓、引違い窓の図面記号です。

窓まわりの図面記号例

はめ殺し窓やFIX窓と呼ばれるタイプの窓は、一般住宅よりも用いられる機会が多いと思います。開けられないよう固定されているタイプの窓で、採光、お庭などの鑑賞、外から店内が見えるようにといった意図で取り付けられます。
窓は換気のために開けることも多い開口部ですから、店舗の図面を見て、空気の流れを想像してみることも大切です。

あまりない例だとは思いますが、図面の中で、本来開閉可能な窓を取り付けるべき場所にFIX窓が記載され、そのまま工事に入ってしまうと大変ですよね。図面記号を理解していれば、そういったミスにも気づくことができます。

4.電気関係など、他によく見る図面記号

その他にも、図面の中にはたくさんの記号が登場します。
店舗の内装工事でよく見るものというと電気、ガス、給排水などでしょう。コンセントの場所などは確実に把握しておきたいもののひとつですし、店舗のフロアが複数階にまたがる場合は、階段やエレベーターの位置は動線設計において重要です。

電気関係などの図面記号例

設計図面を見ながら、開業後の店内の様子やスタッフ、お客様の動き方を想像してみるのもおすすめです。

まとめ

1つの図面の中に、たくさんの種類が登場する図面記号。見かけることの多いものに絞ってご紹介しました。
図面記号を理解しておくと、平面図を眺めながら「ここには片開き戸があるから、棚を置くならサイズはこれぐらいまで」といった細かい判断が早くできるようになり、什器や備品導入にも役立ちます。
図面は店舗開業にあたって目にする場面が多いものですので、ぜひ見方を覚え、自由自在な店舗デザインを叶えてください。

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記事の監修・執筆者

  • 株式会社ライフワン 古川原

    保有資格:
    2級建築士
    第2種電気工事士
    一般建築物石綿含有建材調査者
    石綿作業主任者

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