投稿日:/最終更新日:
この記事は約3分で読めます
記事の監修・執筆者:古川原

「飲食店をオープンしたいけれど、内装工事には一体どれくらいの期間がかかるのだろう?」
「物件を契約してからオープンするまで、何ヶ月見ておけばいい?」
飲食店を開業・改装するにあたって、スケジュール感をつかむことは最重要課題のひとつです。
なぜなら、内装工事にかかる期間が長引けば長引くほど、売上が発生しないのに家賃だけを支払い続ける「空家賃(からやちん)」の負担が増えてしまうからです。
この記事では、物件の状態や坪数(規模)に応じたリアルな工事期間の目安から、家賃のムダを最小限に抑えて最短でオープンに漕ぎ着けるためのコツをプロの視点からわかりやすく解説します。
飲食店の内装工事にかかる期間はどのくらい?「居抜き」「スケルトン」の違い
飲食店の内装工事期間を大きく左右するのは、借りる物件が「居抜き物件」か「スケルトン物件」かという点です。
それぞれの具体的なタイムラインと特徴を見ていきましょう。
居抜き物件の場合:約1ヶ月~1.5ヶ月
居抜き物件とは、前のテナントが使用していた厨房機器やカウンター、内装装飾、空調設備などがそのまま残されている物件のことです。
- 設計期間の目安
- 約2週間~3週間
- 施工(工事)期間の目安
- 約2週間~3週間
居抜きの特徴と期間が短い理由
水道の配管やガスライン、厨房の区画がすでに出来上がっているため、ゼロから図面を引く必要がありません。
「壁紙を張り替える」「カウンターの天板をリペアする」「客席のレイアウトを少し変える」といった部分的な改装(表装工事)がメインとなるため、最短2週間程度で工事が完了することもあります。
ただし、前のオーナーが残していった厨房機器が故障していたり、保健所の許可基準(手洗器の数など)を満たしていなかったりした場合は、追加の改修工事が発生して1~2週間工事が延びるケースもあるため注意が必要です。
スケルトン物件の場合:約3ヶ月~4ヶ月
スケルトン物件とは、内装や設備がすべて解体され、コンクリートの床・壁・天井がむき出しになった状態の物件です。
- 設計期間の目安
- 約1ヶ月~2ヶ月
- 施工(工事)期間の目安
- 約1ヶ月~1.5ヶ月
スケルトンの特徴と期間が長い理由
スケルトン物件は、自由なレイアウトやこだわりのデザインを実現できるのが最大のメリットですが、その分ステップが非常に多くなります。
「どこに厨房を配置するか」を決める基本設計から、コンクリートの床を掘って配管を這わせるコンクリート打設、電気配線、壁の造作、仕上げまでをすべてゼロから行います。
特に飲食店は、一般のオフィスや物販店に比べて「水回りと火回り」のインフラ工事に時間がかかるため、引き渡しまでにどうしても3ヶ月以上の期間を要します。
【坪数別】10坪の小型カフェと30坪の居酒屋での期間目安
物件の「広さ(坪数)」も期間に影響を与えます。
一般的な業態・規模別のスケジュール目安を一覧表にまとめました。
- 居抜き物件(全規模共通)
- 総期間の目安: 約1ヶ月~1.5ヶ月
内訳:設計(約2~3週間)+ 施工(約2~3週間)
既存の設備を活かせるため、規模に関わらず最短ルートで開業できます。 - スケルトン物件・10坪程度(小型カフェ、BARなど)
- 総期間の目安: 約2.5ヶ月~3ヶ月
内訳:設計(約1ヶ月)+ 施工(約1.5ヶ月)
職人の数や資材が少なく済むため、工事自体は3~4週間で完了することがほとんどです。 - スケルトン物件・20~30坪(居酒屋、レストランなど)
- 総期間の目安: 約3.5ヶ月~4ヶ月
内訳:設計(約1.5~2ヶ月)+ 施工(約1.5ヶ月)
排気ダクトの引き回しや複数の個室造作など、工程が複雑化するため、余裕を持ったスケジュールが必要です。
小型の店舗(10坪程度)であれば、工事の手間も少なく済みます。
一方で30坪を超えるような中・大型店舗になると、排気ダクトの引き回しやエアコンの増設、複数の個室造作などが必要になり、工事の工程が複雑化します。
さらに、関係する業者(電気、水道、ガス、厨房機器メーカーなど)の数も増えるため、各工程のバトンタッチ(職人の手配調整)にかかる日数も長くなる傾向にあります。
落とし穴に注意!飲食店の内装工事スケジュールが延びる4つの原因
「あとは工事が終わるのを待つだけ」と思っていても、予期せぬトラブルでスケジュールが1ヶ月以上後ろ倒しになることは珍しくありません。
工事が延びれば、その分の空家賃が発生し、オープン後の運転資金が削られてしまいます。
なぜ飲食店の内装工事はスケジュールが延びやすいのか、よくある4つの原因を解説します。
1.電気ガスの容量不足による追加工事
まずは、建物のインフラ容量が足りず、ビル側やインフラ会社との調整・申請に時間がかかるケース。
飲食店、特に重飲食(居酒屋、ラーメン店、焼肉店など)は、一般のオフィスや物販店とは比較にならないほど大量の電気・ガス・水を使用します。
いざ着工しようとした段階で「ビルの電気容量が足りない」「ガスの配管が細すぎて火力が確保できない」と発覚すると、ビル全体のメインの配線をハブから引き直すような大規模な追加工事が必要になります。
これには電力会社やガス会社への公的な申請が必要となり、申請の許可が降りるだけで2週間~1ヶ月近く工期がストップしてしまうケースがあります。

2.保健所や消防署の検査・申請の遅延
提出書類の不備や、検査の予約が取れないことでスケジュールに遅延が発生するケース。
飲食店をオープンするには、保健所の「飲食店営業許可」と、消防署の「防火対象物使用開始届」などが必要です。
これらの検査は内装工事がほぼ完了した状態で行われますが、いざ内装工事が終わって検査の予約をとろうとしても、行政の担当者のスケジュールが数週間先まで埋まっているなんてことも珍しくありません。
内装会社との連携が上手くいかず、検査の予約が直前になったり、検査で「手洗器の仕様が基準に合わない」「誘導灯の位置がダメ」などと一発クリアできなかったりすると、手直し工事と再検査のためにオープン日が2週間近くズレ込むことになります。
3.施主側のデザイン迷子と仕様変更
実は、工期が延びる原因として非常に多いのが「オーナー自身の決断の遅れや変更」です。
図面(設計)の段階で悩み続けて着工が遅れるのはもちろん、最も危険なのは 「やっぱり壁の色をグレーに変えたい」「照明の位置をずらしてほしい」といった仕様変更(プラン変更)を工事が始まってから行うことです。
職人は様々な現場を掛け持ちしながら細かく動いているため、一箇所の変更によってタイルの発注をやり直したり、別の職人を呼び直すようなことがあると、工事全体のタイムラインがドミノ倒しのように崩れてしまいます。
4.繫忙期による職人・資材の不足
内装業界には明確な繁忙期があります。
特に12月(年末の駆け込みオープン)や3月(年度末・新生活に向けた開業)は、多くの現場が動くため、職人のスケジュールの確保がシビアになります。
また、世界的な情勢による輸入建材の遅れや、特定の厨房機器(製氷機や洗浄機など)の納期遅延に巻き込まれると、現場の工事は終わっているのに「機器が届かないから保健所の検査が受けられない」という事態に陥ります。
家賃のムダをなくす!工期を最短に抑えるための正しい進め方
飲食店開業において、工事期間中の「空家賃」は最大の敵です。
例えば家賃が月30万円の物件なら、工期が1ヶ月延びるだけで30万円の損失になります。
この無駄な出費を最小限に抑え、スケジュール通り(あるいは最短)でオープンを迎えるための正しい進め方を3つのステップで紹介します。
1. 物件契約「前」に内装会社に現地を見てもらう(最重要)
多くのオーナーが「物件を決めて、契約してから内装会社を探す」という順番で動きますが、実はこれが空家賃を膨らませる最大の原因です。
契約が成立した瞬間から、家賃のカウントダウンが始まってしまうからです。
正解は、物件の契約前に内装会社を決定し、一緒に内見(現地調査)へ行ってもらうことです。
プロの目で見てもらえば、「電気やガスの容量は足りるか」「ダクトのルートは確保できるか」が契約前にわかります。
インフラのトラブルによる着工遅れを未然に防げるだけでなく、物件契約と同時に設計スタート、あるいは即着工できる状態を作れるため、空家賃期間を劇的に減らすことができます。
ぴったりの内装業者と出会える!
- 完全無料
- 最短当日
- 審査済み
登録業者 - しつこい
営業なし
たった
1分
無料で相談してみる
2. 必要書類(図面や厨房仕様書)を早期に準備する
設計期間を短縮できるかどうかは、オーナー自身の準備と決断の早さにかかっています。
内装会社との打ち合わせが始まったら、以下の情報や書類をできるだけ早く提出できるように準備しておきましょう。
- 出したいメニューのアイデア(必要な厨房機器を割り出すため)
- 導入したい厨房機器のリストやカタログ(メーカーから取り寄せる)
- 店舗のロゴデータや、理想の内装イメージの写真(事例を参考に集めたもの)
これらが揃っていると、設計士はすぐに具体的な図面や3Dパース(完成予想図)を作成できます。
打ち合わせの回数自体を減らすことが、工期全体の短縮に直結します。
3. 引き渡しからオープンまで2週間の余裕を持つ
一見、引き渡し翌日にオープンした方が家賃のムダがないように思えますが、これは非常に危険なスケジュールです。
どれだけ優秀な内装会社でも、天候や資材の流通によって工事が2~3日遅れる可能性はゼロではないからです。
また、工事が終わっても、そこからスタッフの研修、オペレーションのシミュレーション、食材の搬入、レジの設定など、やるべきことは山積みです。
スケジュールを組む際は、引き渡しからグランドオープンまで最低2週間の予備日(バッファ)をあらかじめ工程表に組み込んでおきましょう。
心の余裕が、結果としてトラブルのないスムーズなオープンへと繋がります。
スケジュール通りに動いてくれる信頼できる内装会社の選び方
飲食店の内装工事を予定通りに進められるかどうかは、パートナーとなる内装会社選びにかかっています。
どんなにデザインが素敵でも、スケジュール管理がルーズな会社を選んでしまうと、オープンが延びて大損害を被るリスクがあります。
予定通り、かつ高品質に仕上げてくれる信頼できる内装会社を見極める3つのポイントを解説します。

飲食店の施工実績が豊富な会社を選ぶ
内装会社と一口に言っても、オフィスが得意な会社、アパレルなどの物販店が得意な会社、そして飲食店が得意な会社など、それぞれ専門分野が異なります。
飲食店を開業・改装する場合は、必ず飲食店の施工実績が豊富な会社を選んでください。
飲食店は、複雑な給排水、強力な排気ダクト、ガス容量の計算など、目に見えないインフラ部分のノウハウが命です。
経験豊富な会社であれば、物件を見た瞬間にトラブルになりそうなポイントを予見できるため、設計・工事のタイムロスを最小限に抑えることができます。
工程表を細かく提示し、遅延リスクを説明してくれるか
契約前の打ち合わせや見積もりの段階で、いつまでにデザインを確定させれば、いつ着工できて、いつ引き渡せるかという具体的な工程表(スケジュール感)を提示してくれる会社は信頼できます。
さらに優秀な会社は、「この物件はダクトのルート確保が難しいので、ここで3日ほど余分に期間を見させてください」といったように、起こりうる遅延リスクと裏付けをセットで説明してくれます。
耳当たりの良い「短い工期」だけをアピールしてくる会社には注意が必要です。
複数社への相見積もりは、期間の妥当性を見極めるためにも必須
内装工事にかかる費用や期間には、絶対的な定価がありません。
そのため、1社だけの提案で決めてしまうと、その費用が高いのか安いのか、提示された期間が妥当なのかどうかが判断できません。
必ず複数の内装会社に相見積もりを行いましょう。
各社から出てきたスケジュールや見積もりを横並びで比較することで、「A社は工事期間が短いけれど、インフラの確認が含まれていないな」「B社は少し期間が長いけれど、予備日がしっかり確保されていて安心だな」といった違いが客観的に見えてきます。
費用だけでなく、工期の現実味を比較するためにも、相見積もりは絶対に外せないプロセスです。
まとめ:スムーズな店舗開業への第一歩
飲食店の開業・改装をスケジュール通りに進め、無駄な空家賃をゼロに近づけるカギは、 物件を契約する前の段階から「飲食店のノウハウを持つプロ」を味方につけることです。
「そうは言っても、まだ物件を探している段階で、どこの会社に相談すればいいかわからない……」
「お店を出したいエリアで、飲食店の施工実績が多い会社を自力で探すのは大変そう」
そんなときは、店舗設計施工.comをぜひご活用ください。
専門スタッフがあなたの希望(予算・エリア・イメージなど)を丁寧にヒアリングし、良い店舗デザイン会社が見つかるようにマッチングまでを丸ごとサポート。
自力で探す手間をかけず、あなたの条件にぴったりの会社をスマホひとつで見つけることができます。
家賃が発生してから動くのでは遅すぎます。
理想のオープン日を無駄なく叶えるために、まずは簡単な無料相談からスタートしてみませんか?
ぴったりの内装業者と出会える!
- 完全無料
- 最短当日
- 審査済み
登録業者 - しつこい
営業なし
たった
1分
無料で相談してみる
記事の監修・執筆者
-

-
株式会社ライフワン 古川原
所有資格:2級建築士、第2種電気工事士、石綿作業主任者、一般建築物石綿含有建材調査者
-
店舗設計施工.com運営担当の古川原です。施主様、設計施工会社様にも満足いただけるよう皆様をサポートさせていただきます。
コラムでは皆様の出店・開業に役立つ情報を発信していますので、当サービス内容も併せてぜひご覧ください!








