
焼肉店を開業・リニューアルしようと考えたとき、まず気になるのが「内装工事にはどれくらいの費用がかかるのか?」という点ではないでしょうか。
カフェや居酒屋など、同じ飲食業でも店舗によって必要な設備や工事内容は大きく異なります。
中でも焼肉屋は排煙・換気・防火・空調などの専門設備が必須なため、他業種に比べて内装工事費用が高くなる傾向にあります。
この記事では、焼肉店の内装工事費用の相場をはじめ、費用を左右する要素やデザインのポイント、施工事例までわかりやすく解説します。
焼肉店の内装工事費用の相場と内訳
坪単価の目安
焼肉店の内装工事費用は、坪あたりおおよそ50万~150万円前後が一般的な目安です。
同じ飲食業でもカフェや居酒屋では40~80万円台で済むこともありますが、焼肉店はロースターやダクトのような設備費の分だけ高くなりやすい傾向にあります。
また、店舗のグレードによっても費用帯は大きく変わります。
たとえば、カジュアルな焼肉屋であれば坪単価60~80万円ほど、高級感を重視した店舗や個室中心の店では100万円を超えるケースも珍しくありません。
店舗規模別の費用目安
店舗の規模や立地、デザインの方向性によって費用は大きく変わります。
おおまかな目安としては以下の通りです。
-
小規模店舗(10~15坪)
費用:約700~1,000万円
特徴:カウンター中心・居抜き活用で初期費用を抑えやすい -
中規模店舗(20~30坪)
費用:約1.200~2,000万円
特徴:テーブル席や排煙ダクトの数が増え、コストが上昇 -
大型店舗(40坪以上)
費用:約2,500万円~
特徴:個室・宴会スペース・高級素材の使用で費用が高め
坪数が増えると単純な面積だけでなく、ダクトや給排水の距離が伸びるため、コストが膨らみやすくなります。
工事費用の内訳と主な項目
焼肉店は「デザイン費用」よりも「設備工事費用」が大きな割合を占めます。
| 区分 | 工事の項目 | 費用目安 (全体比) |
|---|---|---|
| 設計 | 設計・デザイン費 | 約5~10% |
| 施工 | 内装仕上げ工事 | 約20~30% |
| 設備・ダクト・排煙工事 | 約30~40% | |
| 空調・電気・給排水工事 | 約15~20% | |
| 厨房機器・什器 | 約10~15% |
焼肉屋は「煙を出さない・熱を逃さない」空間設計が重要なため、見た目以上に裏側の設備コストがかかる業態です。
特にロースターごとの排煙ダクト設置は工事費の中でも大きな割合を占めます。
物件別で見る焼肉店の内装費用相場
関東での焼肉店の内装工事の費用相場を、居抜き物件とスケルトン物件に分けて紹介します。
コンセプトや必要となる設備で差は出ますが参考としてご覧ください。
| 店舗の広さ | 居抜き | スケルトン |
|---|---|---|
| 小規模店(10坪) | 約 495万円 ~ 808万円 | 約 989万円 ~ 1,615万円 |
| 中規模店(20坪) | 約 771万円 ~ 1,378万円 | 約 1,543万円 ~ 2,756万円 |
| 大型店(30坪) | 約 969万円 ~ 1,780万円 | 約 1,939万円 ~ 3,561万円 |
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焼肉店の内装工事費用を左右する4つのポイント
焼肉店の内装工事費用は、同じ広さの店舗でも100万円以上差が出ることがあります。
その理由は、単にデザインや設備だけでなく、焼肉屋ならではの特殊条件が関係しているためです。
ここでは、費用を左右する主な4つのポイントを紹介します。
1. 排煙・ダクト設備の有無と種類
焼肉店の工事で最も費用差が出るのが、排煙設備(ダクト)です。
無煙ロースターを使う店舗でも、個別排気ダクトが必要なため、1卓あたり10~30万円程度の設備コストが発生することがあります。
既存テナントに排煙ダクトが整っていない場合、天井裏や屋上への新設工事が必要になり、費用が一気に上がるケースも少なくありません。
2. 厨房設備の規模・ガス容量
焼肉店は一般的な飲食店よりも強力な火力と給排水設備を必要とします。
厨房機器(グリラー・冷蔵庫・ガスコンロなど)の導入費や、ガス管の引き直しなどもコスト増加要因です。
- 厨房機器導入費:約150~300万円
- ガス容量増設工事:10~50万円
- 給排水工事:20~100万円
厨房機器を新設するか、居抜きを活用するかによって費用が大きく変動します。
3. 客席レイアウトと個室数
焼肉店では、テーブルごとに排煙機構を設ける必要があるため、「個室型」「ボックス席中心」などのレイアウトによって、必要な設備や照明数も変わります。
| レイアウト | 特徴 | 費用の傾向 |
|---|---|---|
| オープンフロア型 | 配管がまとめやすく、コストを抑えやすい | 比較的安い |
| 個室・半個室型 | 壁・扉・個別換気などでコスト増 | 高め |
| カウンター中心型 | 狭い店舗向き。動線効率重視 | 中間程度 |
4. デザインコンセプトと素材選び
「高級感を出したい」「アットホームな雰囲気にしたい」など、内装デザインの方向性も費用に大きく影響します。
特に焼肉屋は、油煙やにおいの対策が欠かせないため、壁材・天井材には「耐熱」「防汚」「消臭」などの機能を備えた素材を選ぶのが一般的です。
- 高級志向(木材・石材・間接照明): 坪あたり70~100万円前後
- カジュアル志向(クロス+シンプル照明): 坪あたり40~60万円前後
内装デザインの方向性によって、同じ坪数でも総額が倍以上になることもあります。
焼肉店の内装費用は、一般的な飲食店よりも設備コストの比率が高い業態です。
見た目のデザインよりも、まずは排煙・厨房まわりの条件を把握することが、ムダな出費を防ぐ第一歩です。
焼肉店の内装デザインを成功させる3つのコツ
焼肉店のデザインは、「見た目の印象」と「機能性」の両立が大切です。
どれだけおしゃれでも、煙がこもったり動線が悪かったりすれば、お客様の満足度は下がってしまいます。
ここでは、デザインと実用性を両立する3つのポイントを紹介します。
1. 排煙・換気設備をデザインに溶け込ませる
焼肉屋では、テーブル上に「排煙フード」や「ダクト」が必ず必要になります。
ただし、これらをそのまま設置すると、どうしても無骨で重たい印象になりがちです。
最近では、以下のような工夫をする店舗が増えています。
- 黒・グレー系のフードでインテリアに馴染ませる
- 天井裏に配管を隠し、すっきりとした空間に
- シーリングライトと組み合わせて「照明の一部」に見せる
機能設備を『見せるデザイン』に変えることで、コストを抑えながらスタイリッシュに仕上げられます。
2. 照明と素材で「食欲を引き出す空間演出」を
焼肉店の照明は、明るすぎても暗すぎてもNGです。
「肉が美味しそうに見える」明るさと、「落ち着く」雰囲気の両方を意識しましょう。
- テーブル上だけを照らすペンダントライトで料理を美しく見せる
- 壁面や天井に間接照明を入れて高級感を演出
- 壁や床材に木目・石目調素材を使うと、温かみと重厚感が両立できる
内装デザインのポイントは「素材と光のバランス」です。
同じ面積でも、照明計画ひとつで“高級焼肉店”の雰囲気を出すことができます。
3. お客様とスタッフ、両方の動線を考える
見落とされがちなのが「動線設計」です。
焼肉店は、テーブルごとに配膳・片付け・排煙などの動作が多いため、動線が悪いとスタッフの負担が増え、回転率にも影響します。
- 厨房からホールまで、配膳・下げ物のルートを最短に
- 通路幅は最低でも90cm以上を確保
- オーダー端末・給排気スイッチなど、スタッフ動作を想定して配置
おしゃれなデザインよりも、使いやすい導線設計が結果的にコストパフォーマンスを高めます。
焼肉店の内装工事・施工事例
焼肉店の内装費用は、店舗の広さやデザインだけでなく、物件の状態や設備条件によって大きく変わります。
ここでは、実際に行われた施工事例と予算感を紹介します。
「どのくらいの予算で、どんな雰囲気の焼肉店ができるのか」を把握することで、開業計画や見積もり比較の際に、現実的な判断がしやすくなるでしょう。
東京都 / 約7坪 / 改装 / 1000万円以下の事例
約7坪の店舗を効率的なレイアウトで設計。客席を大テーブルにまとめることでダクトの数をおさえています。
| 地域 | 東京都 |
|---|---|
| 設計・施工範囲 | 建築デザイン設計 / 建築施工 / 内装デザイン設計 / 内装施工 |
| 依頼種別 | 改装(リニューアル) |
| 建物面積 | 7.36坪(24㎡) |
| 設計・施工費(税込) | 980万円 |
| 設計・会社 | 商叶空間建築Labo(運営:株式会社エムトラスト) |
神奈川県 / 21坪 / スケルトン / 1500万円以下の事例
黒と赤をベースに、和風居酒屋のような肩肘張らないカジュアルな雰囲気に仕上げられています。
| 地域 | 神奈川県 |
|---|---|
| 設計・施工範囲 | 内装デザイン設計 / 内装施工 |
| 依頼種別 | 改装(リニューアル) |
| 施工前の物件状態 | スケルトン |
| 建物面積 | 21坪(69㎡) |
| 設計・施工費(税込) | 1,207万円 |
| 設計・会社 | YOKOHAMA Design Lab株式会社 |
福岡県 / 20坪 / スケルトン / 2000万円以上の事例
板前焼肉をコンセプトにモダンで落ち着いたデザインに。ブース席でプライベート感も確保。
| 地域 | 福岡県 |
|---|---|
| 設計・施工範囲 | 内装デザイン設計 / その他 |
| 依頼種別 | 新装開店 |
| 施工前の物件状態 | スケルトン |
| 建物面積 | 21坪(69㎡) |
| 設計・施工費(税込) | 2,500万円 |
| 設計・会社 | カリコ株式会社 一級建築士事務所 |
焼肉店では同じ坪数でも、コンセプトや厨房・排煙設備の仕様によって数百万円単位で差が出ることもあります。
「この雰囲気を目指したいけど、どのくらい費用がかかるのか分からない」
そんなときは、まず複数の業者に見積もりを取ることが成功の第一歩です。
焼肉店の内装費用を抑える3つのコツ
焼肉店の内装工事では、設備費が高くなりがちです。
しかし、設計や業者選びの工夫次第で、同じクオリティのまま数十万円~数百万円の差を生み出すこともできます。
ここでは、コストを上手に抑えるための3つの実践的なポイントを紹介します。
1. 居抜き物件を上手に活用する
もっとも効果的なコスト削減方法が、居抜き物件の活用です。
特に、以前に飲食店(できれば焼肉・鉄板系)として使われていた物件なら、排煙ダクトや厨房給排水などの設備を再利用できる可能性があります。
再利用できる代表的な設備
- 排煙ダクト・フード
- ガス管・給排水設備
- 厨房区画(床防水やグリーストラップ)
- エアコン・照明・分電盤
既存の設備を流用するだけで、100万円~300万円のコストカットにつながるケースもあります。
ただし、老朽化している設備は改修が必要なこともあるため、現地調査の際に業者へ相談するのがおすすめです。
2. デザインと施工を一括で依頼する
「デザイン会社」と「工事会社」を別々に依頼すると、中間マージンや設計変更による追加費用が発生しやすくなります。
これを避けるには、内装デザインから施工までを一括対応できる業者を選ぶのが効果的です。
一括発注のメリット
- 打ち合わせの手間が減る
- 見積もりの透明性が高い
- デザインと設備設計の整合性が取りやすい
特に焼肉屋のように排煙・設備系の制約が多い業態では、一社完結型の内装業者が結果的にコストパフォーマンスを高めます。
3. 仕様・素材の“優先順位”を明確にする
焼肉店の工事費を抑えるうえで大切なのが、どこにお金をかけるかを明確にすることです。
- テーブルや椅子などお客様の目に入る部分には投資
- 一方で、壁・床材はコスパの良い素材を選ぶ
- 間接照明や装飾は後から追加できる要素として調整
すべてを完璧にするのではなく、優先順位を決めて設計することで、仕上がりとコストのバランスが取れます。
【まとめ】失敗しない焼肉店づくりは「比較」と「計画」がカギ
焼肉店の内装工事は、一般的な飲食店よりも設備コストが高く、設計の自由度が限られる分、「最初の計画」と「業者選び」がとても重要になります。
しっかりと比較・計画を立てることで、無理のない予算で長く愛される店舗をつくることができます。
- 坪単価の相場は約50万~150万円前後
- 排煙・厨房設備・レイアウトが費用を左右
- デザインと機能のバランスが成功の鍵
- 居抜きや一括発注でコストを抑えることも可能
こういったポイントを押さえることで、無理のない予算で失敗しない店づくりを実現できます。
まずは信頼できる内装業者のパートナー探しからはじめましょう。
業者選びで失敗しないために
内装業者によって、提案内容・価格・得意分野が大きく異なります。
そのため、1社だけで決めてしまうのはリスクです。
同じ条件で 複数社から見積もりを取ることで、「相場感」や「提案の違い」を比較しやすくなります。
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