介護施設・老人ホームの内装工事の費用相場【2025年最新版】

介護施設・老人ホームの内装工事の費用相場【2025年最新版】

少子高齢化が急速に進む日本では、2025年時点で約3人に1人が65歳以上の高齢者と言われています。特に75歳以上の後期高齢者人口は今後も増加し続けると予測され、高齢者向けの生活支援や介護サービスの需要はさらに高まっています。
こうした背景から、有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)など、民間型高齢者施設のニーズも年々増加しています。

そこで本記事では介護施設・老人ホームの開業を目指すオーナー様に向けて、施設の種類や特徴、内装工事費用の相場、選ばれる老人ホームにするポイントなどをまとめて解説します。

介護施設・老人ホームの種類と特徴

老人ホームとは、高齢者が安心して暮らせるように支援する施設の総称で、民間施設と公的施設に大きく分かれます。
施設の種類によってサービス内容や対象者が異なるため、まずは代表的な施設の特徴を紹介します。

民間施設

介護付有料老人ホーム

  • 24時間介護スタッフが常駐し、手厚い介護サービスを提供
  • 月額費用は幅広く、施設ごとに大きな差がある
  • 医療対応力の高い施設や、温泉・リゾート型、ペット可など多彩なタイプがある

茨城県 / 1,341坪 / 介護付有料老人ホームの事例

まるでホテルのような豪華なエントランスを備えたラグジュアリーな老人ホーム。外観のデザインも独創的です。

地域 茨城県
設計・施工範囲 建築デザイン設計・内装デザイン設計
建物面積 1,341.51坪(4435㎡)
土地面積 2,942.26坪(9727㎡)
設計・会社 株式会社小木野貴光アトリエ一級建築士事務所

住宅型有料老人ホーム

  • 食事提供や清掃などの「生活支援サービス」が付いた高齢者向け住宅
  • 自立~要介護者まで幅広く入居可能
  • 介護が必要になった場合は外部の訪問介護等を利用
  • バリアフリー設計でレクリエーションも充実している施設が多い

健康型有料老人ホーム

  • 60歳以上で自立した生活ができる方向け(介護不要)
  • 余暇・交流を楽しむための設備が充実
  • 生活支援サービスを提供
  • 介護が必要になった場合は退去が必要

サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)

  • バリアフリーが標準の高齢者向け賃貸住宅
  • 安否確認・生活相談サービスが必須
  • 介護が必要になれば外部の介護サービスを利用
  • 生活の自由度が高く、一般型・介護型がある

グループホーム

  • 認知症の方が少人数(1ユニット5~9人)で共同生活を送る施設
  • 全室個室で家庭的な雰囲気
  • 1つの事業所で最大3ユニットまで

愛知県 / 新装開店 / 1,450万円 / グループホームの事例

アットホームで温かみのある内装デザイン。補助金も活用し、低予算でフルリノベーションを実現しました。

地域 愛知県
設計・施工範囲 内装デザイン設計・内装施工
依頼種別 新装開店
建物面積 110坪(363㎡)
土地面積 120坪(396㎡)
設計・施工費(税込) 1,450万円
設計・会社 店舗 in One(有限会社ホームインワン天白営業所)

公的施設

ケアハウス(軽費老人ホーム)

  • 自宅での生活が困難な60歳以上の方向け
  • 比較的安価で、食事提供・生活支援・健康管理などを提供
  • 一般型と介護型がある

特別養護老人ホーム(特養)

  • 常時介護が必要で在宅生活が難しい高齢者向け
  • 介護・日常生活支援・機能訓練・健康管理等を行う
  • 費用的負担が比較的軽い
  • 多床室(4人部屋)が多いが、近年は個室化も進んでいる

介護老人保健施設(老健)

  • リハビリを通じて自宅復帰を目指す中間施設
  • 医師の管理下で、看護・介護・リハビリ・食事・入浴等を提供
  • 入所期間は原則3〜6か月が目安

埼玉県 / 新装開店 / 440万円 / 介護老人保健施設の事例

明るい中にも落ち着ける素材と色使いで、外部の緑豊かな景色と融合できる環境を提案。さらに、温かみのある間接照明でメリハリのある照明設計を行いました。

地域 埼玉県
設計・施工範囲 内装デザイン設計・その他
依頼種別 新装開店
建物面積 1,200坪(3967㎡)
設計・施工費(税込) 440万円(デザイン設計費)
設計・会社 有限会社ゼロファクトリー

介護医療院

  • 長期的な医療と生活支援が両方必要な高齢者向けの施設
  • 医療機能と生活施設の機能を一体的に提供

デイサービス(通所介護)

  • 利用者が施設に通い、日中に介護サービスやレクリエーションを受ける施設
  • 民間・公的ともに存在
  • 公的サービスの対象は要介護認定を受けた方

埼玉県 / 新装開店 / 1,200坪の事例

スポーツクラブ・スパ・カルチャーセンター・カフェ・レストランなど、多様な機能を併せ持つ高齢者介護施設。ホールや外観には元気な色使い、カフェや温泉風呂はリラックスできる色彩を採用しました。

地域 茨城県
設計・施工範囲 建築デザイン設計・内装デザイン設計
建物面積 836.56坪(2765㎡)
土地面積 2,094.92坪(6925㎡)
設計・会社 株式会社小木野貴光アトリエ一級建築士事務所

老人ホームの内装工事の費用相場

老人ホームの内装費用の坪単価

老人ホームの内装工事にかかる費用相場は、工事内容や建物の状態によって大きく変動します。
一般的なリノベーションであれば、坪単価35万~60万円が標準的な価格の目安です。

工事レベル 坪単価(目安) 工事内容
軽微な改装 20万~35万円 小規模リフォーム、クロス・床材の張り替え、簡単な間仕切り変更など
標準的な内装工事 35万~60万円 個室・共有部・食堂・水回りの基本工事一式。バリアフリー化、手すり、床材変更、給排水工事など
大規模改修 60万~90万円 給排水・電気・換気設備の全面更新、浴室・厨房の更新、ナースコール設備、耐火区画の整備など

地域別、介護施設・老人ホーム内装費用相場

老人ホームの内装工事費用は地域によっても異なります。ここでは代表して関東と関西の費用相場をご紹介します。

関東の老人ホームの内装費用相場

店舗の広さ 居抜き スケルトン
100坪 2,295万円 ~ 4,590万円 4,590万円 ~ 9,180万円
500坪 1億1,475万円 ~ 2億2,950万円 2億2,950万円 ~ 4億5,900万円
1000坪 2億2,950万円 ~ 4億5,900万円 4億5,900万円 ~ 9億1,800万円

関西の老人ホームの内装費用相場

店舗の広さ 居抜き スケルトン
100坪 2,077万円 ~ 4,154万円 4,154万円 ~ 8,308万円
500坪 1億385万円 ~ 2億770万円 2億770万円 ~ 4億1,540万円
1000坪 2億770万円 ~ 4億1,540万円 4億1,540万円 ~ 8億3,079万円

上記はいずれも設計+施工込みの総額ですが、デザイン設計のみ、または施工のみの費用相場が知りたい方は、下記で紹介している当サイトの無料ツール「内装費用シミュレーション」で個別に算出いただけます。

老人ホームの内装費用の相場がサッとわかる無料シミュレーション

老人ホームの内装工事に、大体どの程度かかるかを知りたい方に便利なツールをご用意しました!
地域・業種・坪数など、いくつかの項目を入力するだけで、平均的な内装工事費用の相場を算出します。
利用料は無料ですので、ぜひ一度お試し下さい!

内装費用シミュレーター

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介護施設・老人ホームの内装工事に必要な項目

老人ホームは一般住宅以上に、安全性・衛生管理・介護動線・スタッフの働きやすさなど、多方面への配慮が必要になるため、工事項目は多岐にわたります。

1. 床・壁・天井の内装工事

  • 滑りにくく、クッション性のある床材
  • 吸音性に優れた壁・天井材(音が響きやすいため)
  • 抗菌・消臭効果のある壁紙
  • 居室と共用部で異なる床材の使い分け

2. バリアフリー工事

  • 車いすがすれ違える通路幅の確保
  • 段差の解消(スロープ設置、敷居撤去)
  • 手すりの設置(廊下・居室・トイレ・浴室など)
  • 開き戸から引き戸への変更、自動ドア化
バリアフリー工事

3. 間仕切り工事

  • 個室やユニットの新設
  • 防音性能を高めた壁の造作
  • 動線を考慮した各エリアのゾーニング
  • 認知症ケアを考慮した見通しの良いレイアウト

4. 水まわり工事

  • トイレ:車いす対応、多目的トイレの整備
  • 洗面台:昇降式、膝が入る奥行、衝突防止のコーナーガード
  • 厨房:配膳スペース、食洗機、保温庫、給湯設備
  • 浴室:介助動線の確保、機械浴・特殊浴槽の設置

5. 電気工事・防災設備

  • ナースコール設備
  • 防犯カメラ・セキュリティシステム
  • 無線LAN(職員用PHS、Wi-Fi)
  • 火災報知器・スプリンクラーなど防災設備

【まとめ】利用者から選ばれる老人ホームにするために

老人ホームの内装は、快適性・安全性・清潔感・運営効率に直結する重要な要素です。失敗を防ぐためには、計画段階で以下のポイントを押さえておくことが大切です。

1.動線のシミュレーション

食堂・浴室・トイレ・スタッフルームなどへの移動距離が長い、車いす同士がすれ違えない、扉が介助の妨げになる――。
こうした問題は、事前の動作シミュレーションを十分に行うことで回避できます。

介護施設イメージ

2.弱電設備の計画

弱電設備(ナースコール、Wi-Fi、ネットワーク)はあとから変更しにくいため、初期段階での設計が重要です。
特にWi-Fiは現地調査を行い、アクセスポイントの適切な配置図を作成しましょう。

3.住まいを意識したデザイン

「白やグレーばかりで病院のような雰囲気」「ホテル調に寄せすぎて実用性が落ちる」これらを避けるためには「住まい」を意識した温かみのある空間づくりがポイントです。
たとえば木目やアクセントクロスで柔らかい色味を取り入れる、照明は電球色~温白色を採用する、デザインと清掃性のバランスの取れた家具を組み合わせる、といった内装デザインが有効です。

老人ホームの内装工事について相談したい、どのような業者を選べばいいか分からないという方は、ぜひ当サイトの無料相談フォームをご利用ください。無料で最大5社から一括見積が行えるほか、まだ物件や希望条件などが決まっていない場合でも気軽にご相談いただけます。

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