イタリアンは「おしゃれな雰囲気」で選ばれるレストランの代表格です。そのため、内装にこだわりすぎてしまいがちですが、過度に凝った内装は予算を大幅に超える原因にもなります。
本記事では、イタリアンレストランの内装費用相場や、コストを抑える方法をわかりやすく解説します。また、おしゃれな内装事例などもご紹介しますので、開業準備やリノベーションの参考にしてください。
イタリアンの内装工事の費用相場は？
イタリアンレストランの内装費用は、坪単価30万～50万円程度が目安です。しかし、物件の種類によって大きく変わります。
以下で、居抜き物件とスケルトン物件それぞれの特徴と注意点を見ていきましょう。
居抜き物件の場合
初期費用を抑えるために居抜き物件を選ぶオーナーは多くいます。しかし、設備やレイアウトの状態によっては、思わぬ制約や追加費用が発生することがあります。
特にイタリアンでは、火力の強いコンロやオーブン、ピザ窯などが必要なため、前テナントのレイアウトでは使いづらい場合があります。
また、オイルや香りの強い料理を扱うため、ダクトや換気設備の性能が不十分だと煙やニオイのトラブルに発展することも。前テナントの設備を使用する場合でも、老朽化や性能低下がないかを確認し、清掃や交換費用を見込んでおくと安心です。
スケルトン物件の場合
スケルトン物件は自由にデザインできるため、理想の「おしゃれなイタリアン空間」を作りやすいのが魅力です。しかし、すべての設備を新設する必要があるため、初期費用が高額になりやすい点には注意が必要です。
イタリアンをはじめ、飲食店で必要となる内装工事は主に以下の通りです。
- 電気工事（照明・配線）
- 給排水工事
- ガス工事
- 空調設備工事（エアコン・ダクト）
- 内装仕上げ工事（壁・床・天井）
- 厨房設備工事
- その他（家具、サイン、ファサード工事など）
特に給排水・ガス・排気ダクトなどの設備工事には費用がかかるため注意しましょう。また、すべて新設する場合は工事や認可に時間がかかる点も考慮しておく必要があります。
地域別のイタリアン内装費用相場
イタリアンレストランの内装費用相場は、地域によっても変動することがあります。
ここでは関東・関西の費用相場をご紹介します。
関東のイタリアンの費用相場
| 居抜き | スケルトン | |
|---|---|---|
| 10坪 | 約 414万円 ～ 676万円 | 約 828万円 ～ 1,352万円 |
| 20坪 | 約 646万円 ～ 1,153万円 | 約 1,291万円 ～ 2,307万円 |
| 30坪 | 約 811万円 ～ 1,490万円 | 約 1,623万円 ～ 2,980万円 |
関西のイタリアンの費用相場
| 居抜き | スケルトン | |
|---|---|---|
| 10坪 | 約 375万円 ～ 612万円 | 約 749万円 ～ 1,224万円 |
| 20坪 | 約 584万円 ～ 1,044万円 | 約 1,169万円 ～ 2,088万円 |
| 30坪 | 約 734万円 ～ 1,349万円 | 約 1,468万円 ～ 2,697万円 |
上記の表に記載された金額は、デザイン設計と施工の両方が含まれています。デザイン設計のみ、または施工のみの費用が知りたい方は次にご紹介する「内装費用シミュレーション（無料）」でご確認ください。
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イタリアンの施工事例で見る内装費用相場
当サイトに登録されている施工事例の中から、イタリアンレストランの内装費用相場をご紹介します。
希望する内装デザインはどれくらい費用がかかっているのか、予算感をつかむためにお役立てください。
東京都 / イタリアン / 改装（リニューアル） / 500万円以内の事例
| 地域 | 東京都 |
|---|---|
| 依頼種別 | 改装（リニューアル） |
| 設計・施工範囲 | 内装デザイン設計 / 内装施工 / その他 |
| 建物面積 | 20坪（66㎡） |
| 設計・施工費（税込） | 500万円 |
| 設計・会社 | 株式会社Hachinoji |
埼玉県 / イタリアン / スケルトン / 1,000万円以内の事例
| 地域 | 埼玉県 |
|---|---|
| 設計・施工範囲 | 内装施工 |
| 施工前の物件状態 | スケルトン |
| 席数 | 16席 |
| 設計・施工費（税込） | 800万円 |
| 設計・会社 | 株式会社ハシモト建築 |
神奈川県 / イタリアン / 改装（リニューアル） / 1,500万円以内の事例
| 地域 | 神奈川県 |
|---|---|
| 設計・施工範囲 | 内装デザイン設計 / 内装施工 |
| 依頼種別 | 改装（リニューアル） |
| 建物面積 | 54.6坪（180㎡） |
| 設計・施工費（税込） | 1,339万円 |
| 設計・会社 | YOKOHAMA Design Lab株式会社 |
おしゃれなイタリアンレストランを作るコツ
イタリアンレストランをおしゃれな空間に見せるためには、いくつかのポイントがあります。内装デザインを考える際には、以下のポイントを意識して進めるとうまくいきやすいでしょう。
1. コンセプトが明確で一貫している
イタリアンレストランにもさまざまなテイストがありますが、コンセプトに一貫性がないとおしゃれに見えません。
たとえば「南イタリアの陽気な食堂風」や「北イタリアの上質なトラットリア」「モダンな隠れ家風」など具体的なコンセプトを設定し、それに合わせて世界観を統一することで、お店の内装が洗練された印象になります。
内装だけでなく、料理や小物、家具、スタッフの装いまですべてトーンが揃っていることでおしゃれに見せることができます。
2. 自然素材を活かした内装
色鮮やかなイタリア料理は、自然素材と組み合わせることでおしゃれさが引き立ちます。たとえば無垢材のテーブルや、石・タイルを使ったカウンター、アイアンや真鍮の照明器具などは相性が良いでしょう。
ナチュラルかつクラフト感のある素材を組み合わせると、温かみと高級感のあるおしゃれな空間に仕上がります。
3. 間接照明で雰囲気を演出
おしゃれなイタリアンレストランは、照明の使い方が巧みです。全体を明るくしすぎず、テーブルや料理だけをやわらかく照らすことで、ワインや料理をより美しく見せる効果があります。
ペンダントライトやキャンドル使った演出もおすすめです。
4. 臨場感のあるオープンキッチンやカウンター
カウンターの目の前でシェフが調理している様子を見せてくれるお店が人気です。
きれいに盛り付ける様子だけでなく、香り・音などもダイレクトに伝わるので、食欲を刺激し、会話も弾みます。
また、お客様とスタッフの距離が自然と近くなることで、温かい空気感が生まれるでしょう。
5. ゆったりと過ごせる空間演出
イタリアンレストランは友人同士のカジュアルな集まりから、デートや記念日などの特別な日まで幅広く利用される場所。
おしゃれなイタリアンレストランは、テーブルの間隔や音楽の音量にも配慮し、「長居したくなる」「会話が心地よい」と感じる空間づくりを行っています。
単なる食事の場ではなく、時間を楽しむ場所として設計することが、レストラン開業の成功へとつながります。
【まとめ】コストを抑えておしゃれなイタリアンレストランを作る方法
最後に、内装費用を抑えつつ、おしゃれなイタリアンレストランを実現するための具体的な方法をご紹介します。
1. 居抜き物件を活用して初期費用をカット
前のテナントが使用していた内装や設備をそのまま活かせる「居抜き物件」は、開業コストを大幅に抑えられる点が魅力。特に厨房設備や排気ダクト、給排水設備などは新設すると高額になりやすいため、使えるものが残っていれば大きなメリットになります。
ただし、イタリアンの場合はコンロやオーブン、ピザ窯の設置位置や動線が重要です。既存のレイアウトが合わない場合は、必要最低限の改修や設備交換にとどめると、コストを最小限に抑えつつ使い勝手の良い厨房を確保できます。
2. デザインの「優先順位」を決めてバランス良く仕上げる
店内全体を凝ったデザインにしてしまうと、内装費はすぐに膨らんでしまいます。限られた予算の中では「どこにお金をかけるか」を明確にすることが大切です。
たとえば、壁や床はシンプルにまとめ、照明や家具、カウンターなど目に入りやすい部分にアクセントをつけるだけでも、印象的な空間になります。
「引き算のデザイン」を意識することで、無駄のないスタイリッシュな雰囲気を演出できます。
3. 中古・リースの厨房機器でコストを最適化
イタリアンでは、オーブンや冷蔵庫、製氷機など、厨房機器にかかる費用が大きな割合を占めます。新品にこだわらず、状態の良い中古機器やリース品を活用すれば、初期費用を抑えつつ機能的な設備を整えることが可能です。
その際、信頼できるリース会社を利用すればメンテナンスサポートがついていて安心。「まずは最小限の設備で開業し、軌道に乗ってから買い替える」という方法も検討してみましょう。
4. DIYでコストカット＆愛着のある空間づくり
壁の塗装や家具の組み立て、装飾小物の取り付けなど、自分でできる部分はDIYに挑戦してみましょう。手間はかかりますが、施工費を抑えながらお店に「手づくりの温かみ」を加えることができます。
ただし、電気・水道・ガス・構造部分など、安全性や耐久性に関わる工事はプロに任せるのが鉄則です。DIYとプロの領域をうまく使い分けることで、無理なくコストダウンが実現します。
5. 見た目とコストを両立する素材を上手に選ぶ
高級素材を使わなくても、おしゃれに見せる方法はたくさんあります。
たとえばタイル調のクッションフロア、木目調の化粧板、アイアン風の軽量スチール素材などは、価格を抑えながらデザイン性を高められるアイテムです。
素材選びのポイントは「見た目の質感」と「掃除のしやすさ」。日々のメンテナンス性も考慮すれば、長く美しい空間を保つことができます。
このような工夫を組み合わせることで、予算内でおしゃれなイタリアンレストランを作ることが可能です。
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