
「中華料理店を開業したいけど、内装工事ってどれくらい費用がかかるんだろう?」「予算が限られている中で、厨房も接客スペースも納得のいく仕上がりにしたい」そんな不安や疑問をお持ちの方は多いのではないでしょうか。
特に中華料理店は、強い火力を使う本格的な厨房設備や、油煙・排気対策が必要になるため、内装工事の内容や費用が他の飲食業態とは異なる点が多くあります。
さらに、店舗の雰囲気や清潔感は、お客様の満足度やリピーター獲得にも直結するため、見た目と機能性の両立が不可欠です。
この記事では、中華料理店の内装工事を検討しているオーナー様に向けて、 費用相場の目安からコストを左右するポイント、さらには費用を抑えるコツや施工事例まで、具体的にご紹介します。
中華料理店における内装工事の費用相場
中華料理店の内装工事費用は、物件の広さや状態、厨房設備の仕様によって大きく異なります。
ここでは、坪単価の目安と広さ別の総費用の目安、そして主な費用内訳について解説します。
中華料理店の坪単価の目安
| 物件の状態 | 坪単価の目安(税抜) |
|---|---|
| スケルトン物件(内装なし) | 約40万~80万円 |
| 居抜き物件(既存設備あり) | 約20万~55万円 |
スケルトン物件では、床・壁・天井などすべてを一から作る必要があるため費用が高めに。
一方、居抜き物件を上手に活用すれば、既存の厨房や内装を流用できる可能性があり、コストを抑えやすいのが特徴です。
内装工事費の主な内訳
中華料理店は、厨房設備にかかるコストの割合が高くなりがちです。
火力や油煙の扱いに適した設備投資は、安全性や営業効率に直結するため、必要不可欠な出費と考えるべきでしょう。
| 工事項目 | 概算比率 | 内容例 |
|---|---|---|
| 厨房設備・換気設備 | 約30~40% | 強火力コンロ、業務用排気フード、グリーストラップなど |
| 内装(床・壁・天井) | 約30% | クロス・タイル張り、塗装、耐熱・防汚素材 |
| 照明・什器・インテリア | 約10~15% | テーブル、椅子、照明器具、カウンター設計 |
| 設計・申請費用 | 約10% | 内装設計、消防・保健所対応、図面作成等 |
施工事例で見る費用相場
千葉県 / 中華料理店 / 改装 / 約1,000万円の事例
店内はわずか9.8坪ながら、厨房に面したカウンターと壁際のテーブル席をバランスよく配置し、全20席を確保。 ナチュラルな木材を基調としたカウンターや家具、赤みを帯びた照明の温かみが、お客様をゆったりとした気分へと誘います。 壁面には大胆な水墨画を施し、中華らしいアイデンティティを空間にしっかりと根付かせました。
| 地域 | 千葉県 |
|---|---|
| 設計・施工範囲 | 建築デザイン設計、建築施工、内装デザイン設計、内装施工 |
| 依頼種別 | 改装(リニューアル) |
| 建物面積 | 9.8坪(32㎡) |
| 設計・施工費(税込) | 1,050万円 |
| 設計・会社 | 商叶空間建築Labo(運営:株式会社エムトラスト) |
東京都 / 中華料理店 / スケルトン / 2,000万円台の事例
木目とベージュを基調とした内装は、中華料理店にありがちな派手さを抑えながらも、赤いベンチシートや椅子の差し色でブランドカラーを強調しています。 店内は広々とした95㎡の空間に多数のテーブル席を配し、グループ利用やランチ需要にも対応。 窓面からの採光とダウンライトのバランスで、時間帯を問わず居心地のよい明るさを確保しました。
| 地域 | 東京都 |
|---|---|
| 設計・施工範囲 | 内装デザイン設計、内装施工 |
| 施工前の物件状態 | スケルトン |
| 建物面積 | 29坪(95㎡) |
| 設計・施工費(税込) | 2,300万円 |
| 設計・会社 | 株式会社 洪安内装企画 |
広さや地域別の費用相場
関東・関西に分けて、物件の種類と坪数別の平均的な中華料理店の内装費用相場をご紹介します。
厨房設備の内容やデザインのこだわりによっては、さらに費用が増加するケースもあります。
関東の中華料理店の費用相場
| 店舗の広さ | 居抜き | スケルトン |
|---|---|---|
| 小規模店(10坪) | 約 406万円 ~ 663万円 | 約 812万円 ~ 1,326万円 |
| 中規模店(20坪) | 約 633万円 ~ 1,131万円 | 約 1,267万円 ~ 2,262万円 |
| 大型店(30坪) | 約 796万円 ~ 1,461万円 | 約 1,591万円 ~ 2,923万円 |
関西の中華料理店の費用相場
| 店舗の広さ | 居抜き | スケルトン |
|---|---|---|
| 小規模店(10坪) | 約 367万円 ~ 600万円 | 約 735万円 ~ 1,200万円 |
| 中規模店(20坪) | 約 573万円 ~ 1,024万円 | 約 1,146万円 ~ 2,047万円 |
| 大型店(30坪) | 約 720万円 ~ 1,323万円 | 約 1,440万円 ~ 2,645万円 |
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内装工事費用に影響を与える5つの要素
中華料理店の内装工事費用は一律ではなく、いくつかの要素によって大きく上下します。
ここでは、費用に影響を与える代表的な5つのポイントを解説します。
1. 物件の状態(スケルトン or 居抜き)
スケルトン物件:壁や床、天井などが何もない状態から作るため、自由な設計が可能ですが、その分費用はかさみます。
居抜き物件:前店舗の内装や設備を再利用できるため、工事範囲を限定しコストを抑えやすいです。
中華料理店では、特に厨房設備の再利用が可能かどうかが、コストに大きく影響します。
2. 厨房設備の仕様・規模
本格中華には高火力の中華レンジや、大型の中華鍋が必要です。
これにより、業務用ガスの引き込みや耐熱素材、防火対策が必須になります。
また、厨房の広さや導線設計によっても必要な設備数が変わるため、費用は増減します。
3. 油煙・排気対策
中華料理特有の強い油煙や煙、においを処理するため、排気フードやダクト、グリースフィルター、給気設備などが重要です。
これらの設備は飲食店の中でも高額な部類に入るため、設置の有無や性能の差によって費用に差が出ます。
4. 内装デザインのグレード
中華料理店と一口に言っても、町中華のような庶民的な店から、モダンな中華ダイニングまでデザインはさまざま。
例えば、自然素材や間接照明、個室・座敷などを取り入れると、それだけ工数や材料費が増加します。
デザインへのこだわりが強いほど、費用が高くなる傾向があります。
5. 店舗の立地・地域差
都市部や商業エリアは施工費が高くなる傾向があります。
また、交通費・駐車場代・施工管理コストなども地域によって異なるため、同じ工事内容でも費用に差が出ることがあります。
施工事例で見る:中華料理店の内装パターン3選
ここでは、実際に内装設計を手がけた中華料理店の施工事例を3つご紹介します。
立地やコンセプトに合わせて内装がどのようにデザインされているかを比較しながら、自店に合った空間作りのヒントを探してみましょう。
事例1:銀座で魅せる、本格中華×ラグジュアリー空間
リニューアルにより“洗練された上質な空間”へと生まれ変わった中華料理店です。
「赤」を基調にした高級感のある内装により、ラグジュアリーな中に中華の伝統美を融合させたデザインが完成。 照明計画や壁紙の質感にまでこだわり抜き、接待や会食に選ばれる“特別な中華”を演出できる空間に仕上がっています。
| 地域 | 東京都 |
|---|---|
| 設計・施工範囲 | 内装デザイン設計・ |
| 依頼種別 | 改装(リニューアル) |
| 建物面積 | 42坪(138㎡) |
| 設計・会社 | 有限会社エムアンドアソシエイツ |
事例2:家族連れにも親しみやすいカジュアル中華
外観はえんじ色の暖簾とレンガの壁面によって、長年の歴史を感じさせる風格を演出。店内に足を踏み入れると、木のぬくもりとアイボリーを基調とした優しい色使いが迎えてくれます。家族連れや買い物客がふらりと立ち寄りやすいように、親しみやすく、開放的な雰囲気を意識した内装です。壁の装飾や照明はシンプルながら洗練されており、アジアンテイストをほのかに感じさせるデザインも秀逸です。
| 地域 | 愛知県 |
|---|---|
| 設計・施工範囲 | 内装デザイン設計 |
| 依頼種別 | 改装(リニューアル) |
| 建物面積 | 17坪(56㎡) |
| 設計・会社 | 株式会社ロジャック |
事例3:洗練されたモダンなミニマルデザイン
「料理と同じく余計なものは足さない」という哲学をそのまま空間デザインに反映。 無機質なグレートーンとブラックで構成された内装は、静けさと品格を備えたモダンな印象です。 紫のベンチシートが唯一のアクセントとして機能し、全体に美しい緊張感を与えています。 百貨店という商業空間の中でも、ブランドのアイデンティティを損なわず表現した事例です。
| 地域 | 大阪府 |
|---|---|
| 設計・施工範囲 | 内装デザイン設計 |
| 依頼種別 | 新装開店 |
| 施工前の物件状態 | スケルトン |
| 建物面積 | 34坪(112㎡) |
| 設計・会社 | 株式会社アッシュプランニング |
これらの事例を見てもわかるように、同じ中華料理店の内装でも大きく印象が異なります。
店舗の立地・客層・業態とブランディングに応じた設計戦略を立てることが重要です。
【まとめ】理想の中華料理店づくりは信頼できる内装業者選びから
中華料理店の内装工事には、一般的な飲食店とは異なる特有の設備や工事内容が数多く含まれます。
特に強火力の厨房設備や油煙対策などは、費用にも影響が大きく、設計段階から慎重な判断が求められます。
本記事では、以下のようなポイントを中心にご紹介しました。
- 坪単価や広さ別の内装工事費用相場
- 費用に影響を与える要素(物件状態・厨房仕様・排気設備など)
- コストを抑えつつ、満足度の高い内装に仕上げるコツ
これらの知識をふまえた上で、最も重要なのは「信頼できる内装業者を選ぶこと」です。
同じ条件でも、業者によって見積もり金額や提案内容は大きく異なります。
また、厨房設計に慣れていない業者に依頼すると、後々のトラブルや追加費用の発生につながることもあるため注意が必要です。
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