パン屋・ベーカリーの内装工事の費用相場【2025年最新版】

パン屋・ベーカリーの内装工事の費用相場

パン屋・ベーカリーの開業や改装を考えているオーナーさんにとって、内装工事は大きな投資です。
パン屋の内装工事では、厨房機器が多く熱源も強い、製造スペースが重要、そして香り・動線・陳列方法が売上に直結するといった独自のポイントがあるのはご存知ですか?
この記事では、パン屋さんの内装工事の費用相場から、集客につながる内装デザインの秘訣まで、専門家の視点から解説します。

パン屋・ベーカリーにおける内装工事の費用相場

まずは、パン屋さんの内装工事にかかる費用の全体像から見ていきましょう。
店舗の広さや現在の状態によって費用は大きく変わりますが、一般的な坪単価の目安と、費用に影響を与える主な要素を把握しておきましょう。

パン屋・ベーカリーの坪単価の目安

物件の状態 坪単価の目安(税抜)
スケルトン物件(内装なし) 約45万~80万円
居抜き物件(既存設備あり) 約35万~60万円

スケルトンから工事を行う場合は、床・壁・天井の仕上げや配管・配線の新設など、ゼロから施工する必要があり、どうしても費用はかさみます。
一方、既存設備が活用できる居抜き物件であれば、大幅にコストを抑えることも可能です。

費用に影響を与える主な要素

パン屋の内装工事費用は、単に面積や坪数だけでは決まりません。
実際の金額に大きく関わるのは、物件の状態や厨房設備の仕様、店舗コンセプトによる仕上げの違いなど、複数の要因です。ここでは代表的な3つの要素を解説します。

1. 物件の状態(スケルトンか居抜きか)

まず大きな分かれ目となるのが、工事前の物件状態です。
「スケルトン(内装がすべてない状態)」での工事は、一から全て設計・施工するため自由度は高い一方、費用は高くなりがちです。
一方、「居抜き(以前の設備が残っている)」の場合、既存の厨房機器や壁・床などを再利用できる可能性があるため、コスト削減が見込めます。
ただし、設備の老朽化や衛生面、動線設計のしづらさなど、再利用には注意も必要です。

2. 厨房設備のグレードやレイアウト

パン屋の特徴として、厨房設備にかかる費用が大きい点が挙げられます。
オーブン、ミキサー、発酵機、冷蔵・冷凍設備など、必要な機器が多く、1台あたり数十万円~数百万円するものも少なくありません。
また、排気・給気、電源容量の増設工事も必要になるケースが多く、これらの設備工事が費用に直結します。

さらに、作業効率や衛生管理を考慮した厨房レイアウトの最適化にもコストがかかるため、事前の設計段階でのプランニングが重要です。

3. 店舗コンセプトによる仕上げの違い

内装の仕上げ材やデザインも費用を左右します。
たとえば、ナチュラルテイストの木材をふんだんに使った内装と、モルタルやアイアン素材を使ったインダストリアルデザインでは、 使う素材の単価も施工の手間も異なります。

また、外観のファサード、看板、照明、ショーケースなどもデザインによって価格帯が大きく変動します。
「見せるパン屋」「テイクアウト中心の実用重視」など、店舗コンセプトに応じて、適切なデザインと費用のバランスを取ることが求められます。

こうした要素を総合的に見て、自分のお店に必要な内装・設備は何かを整理することが、無駄な出費を防ぐ第一歩になります。

施工事例で見る費用相場

大阪府 / イートイン併設のパン屋 / 1000万円以内の事例

地域 大阪府
設計・施工範囲 内装デザイン設計・内装施工
依頼種別 改装(リニューアル)
建物面積 30坪(99㎡)
設計・施工費(税込) 900万円
設計・会社 株式会社atmos

兵庫県 / パン屋 / リニューアル / 1000万円以内の事例

地域 兵庫県
設計・施工範囲 内装施工・その他
依頼種別 改装(リニューアル)
建物面積 27坪(89㎡)
設計・施工費(税込) 920万円
設計・会社 株式会社Crea

神奈川県 / ベーカリーカフェ / リニューアル / 2000万円~の事例

地域 神奈川県
設計・施工範囲 内装デザイン設計・内装施工
依頼種別 改装(リニューアル)
建物面積 38.21坪(126㎡)
設計・施工費(税込) 2,230万円
設計・会社 YOKOHAMA Design Lab株式会社

広さや地域別の費用相場

物件の種類と坪数別の平均的なパン屋・ベーカリーの内装費用相場を、地域別にご紹介します。
厨房設備の内容や内装デザインの傾向によって、より費用が増加するケースもあります。

関東のパン屋・ベーカリーの費用相場

店舗の広さ 居抜き スケルトン
小規模店(10坪) 367万円 ~ 599万円 734万円 ~ 1,199万円
中規模店(20坪) 573万円 ~ 1,023万円 1,145万円 ~ 2,046万円
大型店(30坪) 719万円 ~ 1,321万円 1,439万円 ~ 2,643万円

関西のパン屋・ベーカリーの費用相場

店舗の広さ 居抜き スケルトン
小規模店(10坪) 332万円 ~ 543万円 664万円 ~ 1,085万円
中規模店(20坪) 518万円 ~ 926万円 1,036万円 ~ 1,851万円
大型店(30坪) 651万円 ~ 1,196万円 1,302万円 ~ 2,392万円

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パン屋の内装工事、具体的な費用内訳と特有の注意点

内装工事費用は、さまざまな専門工事の合計です。
パン屋さんならではの設備や工事の注意点も交えながら、主な費用内訳を見ていきましょう。

  • 解体工事費: 既存の内装や設備の撤去費用です。
    居抜き物件でも、必要な部分だけを撤去する費用がかかります。
  • 間仕切り・壁・天井工事費: 店舗のレイアウトを形作る基本となる工事です。
    厨房と販売スペースの区切り方や、お客様の動線を考慮した設計が重要です。
  • 床工事費: 清潔感と安全性、耐久性が求められます。厨房エリアは特に滑りにくく、清掃しやすい素材選びがポイントです。
  • 厨房設備工事費: オーブン、ミキサー、発酵機、冷凍冷蔵庫、シンクなど、パン作りに不可欠な機器の設置費用です。
    大型のパン窯は、搬入経路や排気・給排水の専門工事が別途必要になるため、初期段階での検討が非常に重要です。
  • 電気・照明工事費: 明るく衛生的な厨房環境と、パンを美味しそうに見せる温かみのある販売スペースのための配線・照明計画。
    コンセントの位置や数も作業効率に直結します。
  • 給排水・ガス工事費: 衛生管理と効率的な作業のための水回り・ガス配管工事。
    シンクや手洗い場の数、ガスオーブン用の配管など、パン屋さんの特性に合わせた設計が必要です。
  • 空調・換気設備工事費: 快適な作業環境と客席空間を保つために必須です。
    特にパン窯からの熱や水蒸気を効率的に排出する強力な換気システムは、パン屋ならではの重要な設備です。
  • 外装・サイン工事費: お店の「顔」となる看板や入り口のデザイン。
    お客様の目に留まり、入店を促す魅力的なデザインを心がけましょう。
  • デザイン・設計費: 専門のデザイナーや設計士に依頼する場合の費用です。
    コンセプトを形にし、機能性とデザイン性を両立させるために不可欠な投資と言えます。
  • 諸経費: 建築確認申請費用、工事中の運搬費、現場管理費など、工事全体にかかる費用です。

特にパン屋の場合は厨房スペースの占める割合が大きく、設備費が総費用の40~60%を占めることもあります。
そのため、どの機器を導入するか、動線をどう組むかが費用にも店舗の使い勝手にも大きな影響を与えます。

パン屋の集客につながる内装デザインの秘訣

パン屋にとって、内装デザインは単なる見た目以上の価値を持ちます。
お客様の五感を刺激し、居心地の良さを提供することで、リピーター獲得や集客に直結する重要な要素です。

1.「香り」を活かした動線と換気計画

パン屋の最大の魅力の一つは、焼きたてのパンの香りです。
お客様がお店に入った瞬間にその香りがふわっと広がるような動線設計を意識しましょう。
例えば、オーブンからの熱気を考慮しつつ、焼成室の一部をお客様から見える配置にする「見せる厨房」は、視覚と嗅覚の両方で購買意欲を高めます。

また、香りを邪魔しない、かつ厨房の熱や蒸気を効率的に排出できる適切な換気システムも不可欠です。

2.清潔感と温かみの両立

食品を扱うパン屋では、清潔感は最優先されるべき要素です。
白や明るいトーンを基調にすることで、衛生的でクリーンな印象を与えられます。

同時に、パンの手作り感や温かみを伝えるためには、木目調の素材や暖色系の照明を効果的に取り入れるのが成功の秘訣です。
例えば、無垢材のカウンターやアンティーク調の什器、温かみのあるペンダントライトなどが、居心地の良い空間を演出します。

3.パンが主役のディスプレイと照明

お客様の購買意欲は、パンがいかに魅力的に陳列されているかに大きく左右されます。

  • 陳列棚の配置とデザイン
    お客様が選びやすい高さ、見やすい角度、そしてパンが映える照明を取り入れた陳列棚は必須です。
    ガラスケースの場合は、反射が少なくパン本来の色味を損なわないガラスの選定も重要になるでしょう。
  • 照明計画
    商品を美味しく見せるための照明は特に重要です。パンの色味を美しく引き立てる演色性の高い照明を選びましょう。
    スポットライトで特定のパンに焦点を当てたり、全体を明るく照らすダウンライトと組み合わせたりすることで、空間に奥行きと魅力を与えられます。
  • 陳列の工夫
    種類ごとに並べ方を変えたり、季節限定品を際立たせたりと、ディスプレイの工夫次第で購買率を高めることができます。

4.機能的な厨房と効率的な作業動線

お客様に見える販売スペースだけでなく、パン職人さんが快適に、そして効率的に作業できる厨房の設計は、お店の運営において非常に大切です。

  • 動線設計
    材料の搬入から生地の仕込み、成形、焼成、冷却、陳列までの流れをスムーズにする「一直線の動線」を意識しましょう。
    無駄な動きが減り、作業効率が向上します。
  • 機材配置
    オーブン、ミキサー、シンクなどの主要な機材は、それぞれの作業工程に合わせて最適な位置に配置します。
    特に大型機材の設置場所は、搬入経路や電力・ガス・給排水の確保も考慮する必要があります。
  • 清掃のしやすさ
    粉や油が飛び散りやすいパン屋の厨房では、清掃がしやすい素材選び(例えば、拭き取りやすいステンレスやタイル)や、隅に汚れが溜まりにくい構造にすることも重要です。

【まとめ】理想のパン屋さんを実現するために、まずは費用の比較から

パン屋の内装工事は、店舗コンセプトや厨房設備、物件の状態によって費用が大きく変わるため、平均値だけでは判断できないのが実情です。
しかし、事前に相場や内訳の目安を知っておくことで、無理のない予算計画と納得のいく店舗づくりがしやすくなります。

また、限られた予算の中でも、内装デザインや動線設計を工夫すれば、お客様に選ばれる魅力的な店舗は十分に実現可能です。
そのためには、店舗の特徴や希望に寄り添ってくれる信頼できる内装業者との出会いが重要になります。

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