厳しい島の自然に対応する、やさしく堅牢な建築 - 東京都のその他建築物のデザイン施工事例

東京都の島しょ部に位置する三宅村にて、葬祭場を併設した火葬場を新たに整備しました。
これまで沿岸部にあった火葬場は、鉄筋コンクリート造でありながら、外洋からの強い風や塩害といった厳しい自然環境にさらされ、約20年でその役割を終えました。
そこで新たな火葬場は沿岸部から約2km内陸へと敷地を移し、より安定した環境のもとで運用されることになりました。

今回の計画では、過酷な自然条件の中でも長く大切に使い続けられるよう「建築に外装材を着せる」という考え方を取り入れました。
構造体にはＲＣ造を採用し、外壁には空気層を設けたレンガを重ねることで、塩害や風雨への耐久性を高めています。さらに、屋根材には軽くて耐食性の高いチタンを使用し、活火山である島の噴石や火山灰にも配慮しました。
厳しい自然と向き合いながらも、地域に寄り添い、長く安心して使っていただける建物となるよう心がけました。