投稿日:/最終更新日:
この記事は約3分で読めます
記事の監修・執筆者:古川原

5坪や10坪といった限られたスペースでカフェを開業しようと考えたとき、「効率よく動けるレイアウトは?」「売上を最大化できる内装とは?」といった悩みが出てくることでしょう。
本記事では、そんな小さなカフェのための効率的なキッチンの内装アイデアをご紹介。狭い空間を無駄なく活かし、理想のカフェづくりをサポートします。夢のカフェ開業に、ぜひお役立てください。
店舗設計施工.com
どれくらいの広さがあればカフェが開業できる?
カフェを営業するためには10坪以上あるのが理想ですが、3坪からでも実現可能です。とはいえ、広さによってできること・できないことがありますので、それぞれの坪数別に実現可能なカフェの営業スタイルをご紹介します。
3坪のカフェでできること
3坪は約9.9㎡で、だいたい6畳くらいの広さです。かなり制限されますが、3坪でもカフェの営業は可能です。
具体的な間取りとしては、キッチンスペースと接客カウンターだけを設けたスタイルのお店です。テイクアウトを専門としたカフェやコーヒースタンド、アイスクリームショップなどに向いています。
スタッフは1名で回し、厨房スペースは最小限の動線で動けるようにします。店内に客席を設けることが難しいため、屋外にベンチなどを設置すると良いでしょう。
3坪のカフェは、駅前や商業施設の一角など人通りの多い場所への出店がおすすめです。
5坪のカフェでできること
5坪のカフェは約16.5㎡で、だいたい10畳くらいの広さです。テイクアウトを前提に2~4席のイートインスペースを設けたコーヒー専門店や、ドリンク中心のカフェなどが向いています。
店内はできるだけシンプルな動線にし、出入口は広く設けてお客様が入店しやすいようにします。十分な席数が確保できないため、メニューを絞る、テイクアウトを増やすなどして回転率を上げるための施策が必要になります。
8坪のカフェでできること
8坪は約26.4㎡で、だいたい16畳くらいの広さです。この広さなら、店内に客席を設けることも可能です。
座席数は1坪あたり1.5~2席が目安とされています。キッチン・収納・トイレに3坪使った場合、残り5坪が客席スペースとなるため、10席程度が置ける計算です。2人掛けテーブルなら4~5卓置けるイメージです。カウンター席はおひとり様も気兼ねなく利用でき、回転率も上げられるためおすすめです。
コーヒーと軽食を提供するカフェやスイーツカフェ、アパレルや雑貨との併設型カフェなども実現可能です。8坪はオーナーの個性や世界観を表現しやすく、アットホームな雰囲気もつくりやすいでしょう。夫婦2人で回すのにもちょうどよい広さです。
10坪のカフェでできること
10坪は約33㎡(約20畳分)の広さがあり、一般的な小型店舗と同程度の規模です。この中から厨房とトイレのスペースを差し引くと、客席は7坪程度が確保できます。
座席は1坪あたり2席を目安に設置できることから、カウンター席を含めれば最大16席ほど確保することが可能でしょう。ただし、オーナー1人で運営する場合、席数が多すぎると対応が難しくなるため注意が必要です。10坪のカフェであれば、スタッフは2名以上での運営がおすすめです。
10坪あれば、ほとんどのコンセプトのカフェを実現できるでしょう。実際、都市部にあるカフェでは10坪~15坪程度の規模が一般的で、スムーズな動線と居心地の良さを両立しています。
狭小キッチンを効率化する内装アイデア
小さなカフェの狭小キッチンを効率化させるためには、限られたスペースを最大限に活かすことが重要です。実践的な内装アイデアをご紹介します。
1.動線を短くする
狭いキッチンでは作業がしにくくなるため、注文を受けてから提供するまでの動線は、できるだけ短くシンプルに設計することが重要です。
特にスタッフが2名以上で作業する場合は、すれ違いによるロスを防ぐために、それぞれの担当エリアを分けて配置するなど、動線が重ならない工夫が求められます。
2.設備を絞り込む
小規模カフェであっても、次のような厨房機器が必要になります。
冷凍冷蔵庫、製氷機、シンク、作業台、エスプレッソマシンやコーヒーメーカー、IHヒーターやガステーブルなどの熱機器、食器棚など
業務用の設備はスペースを大きく占めるため、コンパクトなものを選んだり、必要最小限に絞って配置することが重要です。
作業台としても使えるコールドテーブルや、製氷機能を備えたウォーターサーバーなど、1台で複数の役割をこなせる設備を導入することも省スペース化に有効です。
なお、シンク、冷凍冷蔵庫、食器棚は保健所の基準を満たしていることが条件です。詳しくはこちらの記事をご覧ください。

3.壁面収納や吊り下げ収納を活用する
狭いキッチンでは壁面も貴重な収納スペースです。壁や天井まわりにムダな空間が空いていないか確認し、デッドスペースも収納場所として活用しましょう。
オープン棚を取り入れて、あえて見せる収納にしてしまうのもおすすめ。実用性だけでなくおしゃれなインテリアとして、カフェの雰囲気づくりに役立ちます。
4.掃除や手入れがラクになる仕上げにする
狭い厨房では汚れやほこりなどが溜まりやすく、衛生管理の手間が増えることがあります。あらかじめ掃除がしやすい素材やデザイン(ステンレス、フラットな面材など)を選び、デッドスペースを極力減らして、日々の清掃がスムーズに行える環境を整えましょう。
衛生面のリスク軽減や、作業効率の向上にもつながります。
小さなカフェの強みとは
小さなカフェには小規模店舗ならではの魅力や強みがあります。
1.開業資金を抑えられる
小さなカフェを開業する場合、内装工事費や物件取得費を抑えられることが大きなメリットです。
一般的にカフェの内装工事は、坪単価で20万円~40万円程度とされており、たとえば30坪の店舗であれば600万円以上かかる計算になります。
一方、10坪のカフェであれば、内装費は200万円程度に収めることも可能です。
また、物件取得費についても、小規模なお店ほど家賃は低く抑えられているため、敷金・礼金・前家賃・仲介手数料などもその分抑えられます。低予算・低リスクでカフェを開業したい方には、10坪以下の小さなお店が適しているでしょう。
2.お客様との距離が近い
小さなカフェではお客様との距離が自然と近くなるため、顔の見える丁寧な接客が実現できます。来店したすべてのお客様へのこまやかなフォローや、コミュニケーションが取りやすいことでお客様との関係性が築きやすく、お店にファンが生まれやすいことも特徴です。

3.都市部で開業しやすい
大型店の出店が困難な都市部でも、5坪や10坪の小規模店舗であれば開業のハードルはぐっと下がります。
限られたスペースを活かした個性的なお店が多いのも、小さなカフェの魅力です。大型店やチェーン店にはない柔軟さを活かし、地域のニーズに応えるオリジナル商品で差別化を図りましょう。
4.独自のテーマに特化しやすい
小規模なお店は空間全体を一貫したコンセプトでまとめやすく、個性の光るお店づくりが実現しやすい点が強みです。
たとえば壁一面を本で埋め尽くしたブックカフェや、オーナーこだわりのジャズが流れるコーヒースタンドなど、テーマ性のある空間はお客様の印象に残りやすく、リピーター獲得にもつながりやすくなります。
家具や内装も世界観を統一させることで、他にはないオリジナリティのある店舗を演出でき、顧客満足度の向上にもつながります。
まとめ
10坪以下の小さなカフェは、キッチンの使い方や動線に工夫が求められますが、テーマに特化した魅力的な空間を作りやすく、お客様のとの距離も近いため、アットホームな雰囲気の中でファンを獲得しやすいのが特徴です。
さらに、内装費や物件取得費などの初期コストも大幅に抑えられる点も小規模店舗ならではのメリット。なるべく低予算でカフェを開業したい方にも最適な選択肢と言えるでしょう。
小さなカフェの開業を検討されている方はぜひ当サイトの無料相談フォームをご活用ください。まだ物件が決まっていない段階でも相談OKです。内見時から専門家が同行することで、内装やレイアウトについてもプロの目線でアドバイスを行います。
店舗設計施工.com
記事の監修・執筆者
-
株式会社ライフワン 古川原
保有資格:
・2級建築士/
・第2種電気工事士/
・一般建築物石綿含有建材調査者/
・石綿作業主任者店舗設計施工.com運営担当の古川原です。施主様、店舗デザイン・内装工事・建築工事会社様にも満足いただけるよう皆様をサポートさせていただきます。
コラムでは皆様の出店・開業に役立つ情報を発信していますので、当マッチングサービス内容も併せてぜひご覧ください!