集客を左右するエステサロンの内装デザイン。ポイント、費用相場を解説

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執筆者:古川原

集客を左右するエステサロンの内装デザイン。ポイント、費用相場を解説

エステサロンを開業するなら、施術内容だけでなく、内装デザインにも十分にこだわることが大切です。エステを訪れるお客様は、単に施術を受けるだけでなく、落ち着いた雰囲気の中でリラックスできる時間や空間を求めています。そのためエステサロンの内装デザインは、お店の集客やリピート率にも直結する大切な要素と言えます。

今回は、そんなエステサロンの集客力を高める内装デザインについて、ポイントや費用相場をご紹介します。エステの開業や改装をお考えの方の参考にされば幸いです。

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エステサロンにとって内装デザインが重要な理由

エステの内装は空間全体の印象を決定づけるのと同時に、顧客体験の質を高める役割を担っています。

エステを選ぶとき、まずサロンのホームページやSNSなどを見て、お店の雰囲気を確認される方が多いでしょう。写真や動画を通じて「おしゃれだな」「清潔感があって安心できそう」と感じてもらうことが集客の第一歩と言えます。

次に、内装デザインはリピート客の獲得にも大きく貢献します。お客様が来店して最初に感じ取る情報は、内装デザインからと言われています。清潔感、センス、安心感など、お客様は様々な情報を視覚から得ています。
ですから、生活感のある空間や、狭くて居心地の悪い空間だと、いくら施術の腕がよくてもリピートにはつながりにくいのです。

さらに、他店との差別化を図る上でも内装デザインは重要です。類似するエステサロンが多数存在する今、施術の内容だけで差別化を図るのは困難ですが、オリジナリティのある内装デザインにすることで、あなたのサロンを強力に印象付けることが可能になります。

エステサロンの内装で押さえるべきポイント

エステサロンにとって内装デザインが重要な役割を担っていることを紹介しました。次に、内装デザインで押さえるべきポイントについて解説します。

清潔感と安心感

エステではお客様の肌に直接触れる施術が中心です。そのため、施術を行う場所は清潔で安心して身を任せられるかどうかが非常に重要なポイントになります。

少しでも不衛生や不安を感じると、どんなに施術が良くてもリピートはないと考えてしまうお客様がほとんどです。サロンは掃除しやすく、清潔を維持しやすい内装にすることが大切です。

プライバシーへの配慮

エステでは素顔や肌をさらして施術を行うため、お客様は恥ずかしさや不安を抱えています。また、施術前のカウンセリングでもお客様のプライベートな内容を話すので、まわりに声が漏れてしまうような環境では話しづらさを感じてしまいます。

個室を設けたりパーテーションを設置したりするなど、お客様のプライバシーがきちんと守られているかが設計のポイントになります。

非日常感を演出する

エステサロンは、日常の疲れやストレスを癒す特別な空間です。お客様に心からリラックスしてもらうためには、色使いや照明、香りなどを工夫し、非日常感を演出してあげることも大切なポイントです。居心地の良さを体験していただくことでお客様の満足感が高まり、リピート率の向上にもつながります。

スタッフの動線、施術のしやすさ

スタッフとお客様、それぞれの動線を考慮したレイアウトは、働きやすさとサービス向上につながるため外せないポイントです。

お客様は受付から待合スペース、施術室、パウダールームへと移動しますが、この動線はできるだけシンプルかつ分かりやすく設計することが大切です。

一方、スタッフの動線は施術だけでなくバックヤードの配置にも影響します。施術に必要なタオルや道具がすぐに取り出せる環境を整えることで無駄な動きを減らし、施術の効率化やお客様の待ち時間短縮にもつながります。結果として、お客様の満足度を向上させるでしょう。

エステサロンに必要な設備と費用相場

ひと口にエステサロンといってもどのような施術を行うかによって、必要となる設備は異なります。ここでは、基本的な設備と費用の目安について紹介します。

施術ベッド

折り畳み式やリクライニング式、手動や電動で昇降できるもの、フェイシャル専用ベッドなど、さまざまなタイプがあります。価格は安価なもので2~3万円台から、電動昇降ベッドで十数万円など。機能や価格、施術内容によって選びましょう。

費用相場:約3万円~約20万円/台

美容機器

施術内容や効果によって、さまざまなタイプが揃う業務用美容機器。高価な機器の導入は、お店の売上見込みと合わせて考えていく必要があります。

主な美容機器と費用相場
美容機器 費用相場
痩身機器 約100~300万円
脱毛器 約200~400万円
美顔器 約100~200万円

業務用の美容機器は家庭用と比べて高い出力と機能性を備えており、資格を持たないエステティシャンでも扱いやすくなっているのが特徴です。
その分、本体価格は高く設定されており、数百万するものも珍しくありません。また、ランニングコストも発生するため、導入の際は慎重に選びましょう。

開業時の初期コストを抑えたいオーナー様は、分割払いやレンタル・リースなどを利用するのもおすすめです。

カウンセリングスペース

お客様のプライベートな内容を聞く場所ですので、落ち着いて話せるプライバシーに配慮した環境が必要です。

費用相場:約5~10万円程度

パウダールーム

施術を行ったあと、メイクを直すための鏡や椅子、照明などが必要です。

費用相場:約3~10万円程度

このほか、タオルウォーマーや施術ワゴン、間接照明、消耗品や備品を収納棚、BGM設備などが必要でしょう。

売上目標からベッド数を決める

施術ベッドを何台置くかは、提供する施術メニューの内容やスタッフの人数などによって決定します。

売上目標からベッド数を決める

1人あたりの施術時間から算出

施術時間が長いメニューは回転率が落ちるため、ある程度ベッド数がないと売り上げが見込めません。

スタッフの人数から算出

スタッフがオーナー1人なのか、複数いるのかによって、同時に施術できる人数が決まります。個人サロンならベッドは1~2台、スタッフが2~3人いる場合はベッド数3~4台が一般的です。

施術スペースの広さから算出

ベッド1台あたり約2m×2.5mのスペースが必要です。ベッドの周囲はカーテンやパーテーションで仕切るため、それらのスペースも考えて配置します。

一日の売り上げ目標から算出

個人エステの場合で、月平均150万円程度の売り上げを目標とした場合、稼働日が22日とすると1日あたり約68,000円の売り上げが必要です。
ベッドが1つしかない場合は1日に3~4人しか施術できないため、客単価が2万円前後になってしまいます。この場合、ベッドを増やすか物販などで売り上げを作るなどの対応が必要になります。

おしゃれで居心地の良いエステ内装を作るコツ

エステサロンの内装には「おしゃれさ」と「居心地の良さ」が求められます。その2つを両立するためのコツをご紹介します。

デザインのコンセプトを決める

サロンの内装デザインがバラバラだと落ち着く空間にはなりません。サロンのコンセプトを具体的に決め、デザインテイストに一貫性を持たせることが大切です。

たとえばバリ風のエステサロンなら、南国のリゾートをイメージさせるような自然素材の家具を取り入れるのがおすすめ。ラタンやバンブーの家具、ウッドパネル、花を浮かべたボウルなどを配置し、ファブリックはアースカラーで統一します。アクセントにゴールドを使うとより高級感を持たせることができます。

また、ホテルライクなエステサロンなら、内装をモノトーンやグレージュ系の色で統一し、全体照明は暗めにしてスポットライトで上質な空間を作り出すのがポイント。大理石調のタイルやカウンター、レザーやベルベッド素材のソファなどもホテル感を高めます。何より大切なのは空間に余裕を持たせること。ゆったり配置することで高級感や落ち着きを演出できます。

このようにコンセプトによって選ぶ家具や内装は全く違ってきます。素材や照明などトータルで空間を演出しましょう。

香りや音の演出

エステサロンでは目を閉じて施術を受ける時間が長くなるため、視覚以外の演出も効果的です。
リラックス効果の高いラベンダーやオレンジスイート、気持ちを落ち着かせるイランイランやサンダルウッドなどのアロマは、エステサロンで好まれやすい香りです。ローズやジャスミンなどの華やかな香りも特別感を演出してくれるでしょう。

香りや音の演出

また、静かなBGMを流すのもリラックス効果を高めてくれます。オルゴールなどのヒーリングミュージックやクラシック音楽がおすすめ。BGMがあることで話し声などを聞き取りにくくする効果もあるため、プライバシーの保護にも役立ちます。

清掃しやすい素材やデザインを意識する

エステサロンには清潔感が不可欠です。日々の清掃をラクにするためには、あらかじめ掃除しやすい素材や形状を意識して選ぶことが重要です。
水や薬剤を使う施術が多いサロンは、床材は水に強い素材がおすすめです。セラミックタイルは耐久性とメンテナンス性に優れており、エステサロンの床材に最適。ビニール床材は足当たりがやわらかく、リラックス効果を与えます。水にも強いため、掃除もしやすい特徴があります。

また壁材は高級感を演出しつつ、ニオイなどを吸着する機能性を持った素材がおすすめです。ビニールクロスはデザインのバリエーションが多く、汚れもふき取りやすいでしょう。珪藻土や漆喰は調湿効果や消臭効果に優れており、高級感も演出できます。

まとめ

集客力を高めるエステサロンの内装デザインのポイントと、設備や機器の費用相場についてご紹介しました。非日常的な空間でありながら居心地の良さも感じられる、それがエステサロンの魅力です。
内装はデザインだけでなく、素材や照明の使い方、空間の余白、香り、音まで含めたトータル演出で、「ここに来ると癒される」「何度も通いたい」と思われるような空間を目指しましょう。

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記事の監修・執筆者

  • 株式会社ライフワン 古川原

    保有資格:
    2級建築士
    第2種電気工事士
    一般建築物石綿含有建材調査者
    石綿作業主任者

    記事の監修・執筆者近影

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