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執筆者:古川原

中華料理店を成功させるには、美味しい料理と質の高いサービスはもちろんのこと、内装デザインも非常に重要な役割を果たします。 なぜなら、内装はお店の「顔」であり、お客様が最初に目にするものだからです。
魅力的な内装は、お客様に「ここで食事をしたい」と思わせる第一歩になります。
居心地の良い空間は滞在時間を延ばし、リピートに繋がるだけでなく、SNSでの拡散効果も期待できます。
逆に、コンセプトが不明確な内装や、清潔感のない空間は、お客様の足を遠ざけてしまう可能性も。
本記事では、中華料理店の開業や改装を検討している方に向けて、集客と売上に繋がる内装デザインの秘訣を解説。
内装デザインのポイントから、失敗しない業者選びのコツまで詳しくご紹介します。
中華料理店の内装デザインコンセプトを明確にする
内装デザインを始める前に、最も重要なのが「コンセプトの明確化」です。
漠然と「おしゃれな中華料理店にしたい」と考えるのではなく、「誰に、どんな体験を提供したいのか」を具体的に言語化することで、ブレないデザインに繋がります。
1. ターゲット層の設定
まず、どのようなお客様をターゲットにするのかを明確にしましょう。
ターゲット層によって、内装デザインの方向性は大きく変わってきます。
ファミリー向け
明るく賑やかな雰囲気が好まれます。
子供連れのお客様が安心して食事ができるよう、広めのテーブル席やキッズスペースの設置、ベビーカーの置き場などを考慮すると良いでしょう。
床材も滑りにくく、汚れにくい素材を選ぶのがおすすめです。
ビジネス層・接待向け
落ち着いた雰囲気と高級感が求められます。
プライバシーを確保できる個室や半個室は必須。
間接照明を効果的に使い、上質な調度品を配置することで、特別感を演出できます。
静かでゆっくりと会話ができる空間づくりが重要です。
若者・女性向け
おしゃれでSNS映えするデザインが人気です。
シンプルモダンな空間にカラフルな食器やアートを取り入れたり、グリーンを効果的に配置したりすることで、洗練された印象を与えられます。
カフェのような居心地の良さを意識するのも良いでしょう。
一人客・サク飲み向け
カウンター席の充実がポイントです 気軽に立ち寄れるオープンな雰囲気や、一人でも居心地の良い空間が求められます。
調理風景が見えるオープンキッチンは、エンターテイメント性も兼ね備え、お客様を飽きさせません。
2. 提供する料理のジャンルとの連動
中華料理と一口に言っても、提供する料理のジャンルは多岐にわたります。
料理のコンセプトと内装デザインを連動させることで、お店の世界観に一貫性が生まれます。
本格中華
伝統的で重厚感のあるデザインがよく合います。
中国の伝統的なモチーフや装飾品を取り入れたり、赤や金をアクセントカラーにしたりすることで、本場を思わせる雰囲気を演出できます。
歴史を感じさせる木材や、格式高い印象を与える石材なども効果的です。
町中華
昔ながらの親しみやすい雰囲気を大切にしたいなら、アットホームで懐かしいデザインがぴったりです。
昭和レトロなポスターや、使い込まれたような木製のテーブル、シンプルなベンチシートなどが、肩ひじ張らずに食事ができる空間を演出します。
モダンチャイニーズ
スタイリッシュで洗練されたデザインが特徴です。
伝統的な中華料理に現代的な要素を融合させるように、内装もシンプルモダンを基調とし、異素材の組み合わせやアート作品を取り入れることで、オリジナリティを追求できます。
ニュートラルカラーやモノトーンをベースに、鮮やかな色をアクセントに使うのも効果的です。

ラーメン専門店
活気があり、効率的な動線を意識したデザインが重要です。
カウンター席を中心に配置し、お客様がスムーズに着席・退席できるよう工夫しましょう。
食欲をそそる明るい照明や、清潔感のあるシンプルな内装が好まれます。厨房が見えるオープンな造りにすることで、活気と安心感を演出できます。
3. 店舗の立地特性を活かす
店舗の立地も、内装デザインのコンセプトを決める上で重要な要素です。
駅前・繁華街
人通りが多く、新規顧客の獲得が期待できる立地です。
視認性を高める工夫や、短時間で食事を済ませたいお客様に対応できるよう、回転率を意識したレイアウトが求められます。
また、飲食店の競合も多いため、通行人の目を引くような外観デザインの工夫も必要です。
住宅街
地域住民に繰り返し来店してもらうための工夫が必要です。
親しみやすく、居心地の良いデザインが好まれます。
リピートに繋がりやすいよう、家族連れや友人同士での利用を想定した席配置や、落ち着いて食事ができる空間を意識しましょう。
地域に根ざしたお店として、地元の人々に愛されるような温かい雰囲気作りが大切です。
これらの要素を総合的に考慮し、あなたの店舗ならではの明確なコンセプトを確立しましょう。
コンセプトが明確であればあるほど、内装デザインの方向性が定まり、後々の意思決定がスムーズに進みます。
中華料理店の内装デザイン事例とポイント
ターゲット層や提供する料理、店舗のコンセプトに合わせてデザインを最適化することで、集客と売上を最大化できます。
ここでは、いくつかのデザイン事例とそれぞれのポイントをご紹介します。
本格・高級中華料理店
高級感あふれる本格中華料理店の内装事例です。
床のブラックグラデーションタイルカーペットや壁面の大理石・輸入クロスが、上質な空間を演出。
天井のシャンデリアや、光源を隠した間接照明が眩しさを抑えつつ、十分な明るさでラグジュアリーな雰囲気を醸し出しています。
朱色の椅子や鶴の絵画が中華らしさを添え、洗練された大人のための空間に仕上がっています。
モダン中華・カフェ風中華
スタイリッシュでモダンな中華料理店の内装です。
木材の温もりと白を基調とした清潔感が、洗練されたカフェのような雰囲気を演出。
蒸籠を使ったディスプレイが、料理と内装デザインを関連付けており、世界観を統一することに成功しています。
ラーメン屋
活気ある雰囲気とスムーズな客導線を両立した機能的なカウンター席。
白と木目を基調としたクリーンな空間に、店名にちなんだ「だるま」の暖簾やロゴが目を引くアクセントとなっています。
限られた13坪の空間を最大限に活かすため、床タイルのラインを共用部と揃えることで視覚的な広がりを演出。
中華料理店の内装デザインにかかる具体的な費用目安については、別記事「中華料理店の内装工事の費用相場」で詳しく解説しています。
ぜひ合わせてご参照ください。
中華料理店の内装を構成する4つの要素
中華料理店の内装は、壁や床の色だけでなく、様々な要素が複雑に絡み合い、お店の雰囲気やお客様の体験を大きく左右します。
ここでは、特に重要な4つの要素について解説します。
1. 空間デザイン(レイアウト・ゾーニング)
お客様が店内に入ってから退店するまでの一連の「体験」をデザインするのが空間デザインです。
効率的で快適な動線と、目的に合ったゾーニングが成功の鍵を握ります。
- 客席の配置とバランス
ターゲット層に合わせて、テーブル席、カウンター席、個室の割合を決めましょう。
ファミリー層には広めのテーブル、一人客にはカウンター、接待には個室といった配慮が必要です。
ベビーカーの置き場なども考慮すると良いでしょう。 - 厨房の配置と効率的な動線
中華料理は火力が命。調理器具の配置から、食材の搬入、調理、配膳、洗浄までの動線をスムーズにすることで、作業効率が向上し、料理提供もスピーディーになります。
特に中華料理店は油煙が多いため、強力な換気・排気設備の設置は必須です。 - スタッフ動線と顧客動線の分離
お客様とスタッフの動線が交錯しないよう設計することで、サービス効率が上がり、安全性も確保できます。
2. 色使いと素材
色と素材は、お店の第一印象を決定づける強力な要素です。中華料理店らしい雰囲気作りには特に重要です。
- 色の選び方
中国文化では「幸福」「情熱」「繁栄」を象徴する赤や「富」「高貴」を表す黄・金がよく用いられ、これらをアクセントカラーとして効果的に使うことで、華やかさや食欲増進効果が期待できます。
ただし、使いすぎると圧迫感を与えるため、アクセントカラーとして効果的に使うのがポイントです。 - 素材が与える印象
温かみや親しみやすさを与える木材は町中華のようなアットホームな雰囲気に適しています。
清潔感やモダンな印象を与えるタイルはデザイン性の高いものがアクセントにもなります。
重厚感や高級感を演出する石材は本格中華店に適しており、スタイリッシュでクールな印象の金属はモダン中華やラーメン店でシャープなアクセントとして使われます。
壁、床、天井の素材選びも、全体のデザインコンセプトと耐久性、清掃性を考慮して選びましょう。
3. 家具・什器
家具や什器は、機能性とデザイン性を兼ね備え、お店のコンセプトを具現化する重要な要素です。
- テーブル・椅子の選び方
内装全体のコンセプトに合ったデザインはもちろん、座り心地の良さと耐久性を重視しましょう。
特に椅子は、お客様の滞在時間やリピートに影響します。 - ディスプレイ棚・飾り棚
中国茶器や伝統工芸品、調味料の瓶などをディスプレイすることで、お店の世界観を深め、お客様の興味を引きます。 - 中華料理に合わせた収納
中華料理は皿数が多い場合もあるため、効率的に配膳や片付けができるような食器棚やワゴンの配置も考慮が必要です。

4. 照明計画
照明は、店内の雰囲気を劇的に変化させ、料理を美味しく見せる重要なツールです。
- 照明の種類と使い分け
店内全体を照らすメイン照明、空間に奥行きと広がりを与える間接照明、特定の場所や商品を際立たせるアクセント照明を効果的に組み合わせましょう。 - 料理を美味しく見せる色温度と明るさ
料理を美味しそうに見せるには、肉料理や揚げ物の色を鮮やかに見せる暖色系の色温度(2700K〜3000K程度)の照明が適しています。
テーブルの上は他よりも少し明るめにすることで、お客様の視線が自然と料理に集中します。 - 雰囲気作り
照明の明るさや色、影の作り方によって、活気ある空間や落ち着いた空間など、様々な雰囲気を演出できます。
時間帯によって明るさを調整できる調光システムの導入も効果的です。
これらの要素はそれぞれ独立しているだけでなく、互いに影響し合っています。
全体のバランスを考えながら、お店のコンセプトに沿った最適な組み合わせを見つけることが、成功する中華料理店の内装デザインには不可欠です
失敗しない!中華料理店の内装業者選びのポイント
理想の中華料理店を実現するには、信頼できる内装業者の選定が非常に重要です。以下の点を踏まえ、慎重に業者を選びましょう。
1. 中華料理店の施工実績を確認する
中華料理店は、油煙対策や強力な火力設備など、特有の厨房設備が必要です。
これらの特殊性を理解し、中華料理店の施工経験が豊富な業者を選びましょう。
過去の事例で、あなたの店舗イメージに近い実績があるかを確認すると安心です。
2. デザイン力と提案力を見極める
単に指示通りに工事するだけでなく、あなたのコンセプトを具体化し、魅力的なデザインを提案してくれる業者が理想です。
予算内で最高の空間をどう実現するか、課題解決の提案力があるかを見極めましょう。
ヒアリングを通じて、あなたのビジョンを深く理解しようと努めてくれるかも重要なポイントです。
3. 予算に合わせた明確な見積もりを提示するか
内装工事は高額です。あなたの予算内で最適なプランを提案し、見積もり内容が明確な業者を選びましょう。
「一式」などの大まかな記載ではなく、各項目(解体、内装、電気、厨房設備など)の詳細や使用材料まで具体的に示されているかを確認してください。
不明点は納得いくまで質問し、追加費用の可能性についても事前に説明があるか確認しましょう。
4. コミュニケーション能力とアフターサービス
工事期間中は業者との密な連携が不可欠です。
レスポンスが早く、誠実で信頼できる担当者を選びましょう。
また、工事完了後も安心できるよう、アフターサービスや保証の有無、内容も事前に確認しておくことが大切です。
これらのポイントを参考に、複数の業者から相見積もりを取り、比較検討することで、あなたの理想を形にする最適なパートナーを見つけることができます。
まとめ
中華料理店の内装を成功させるためには、デザインや素材選びといった目に見える部分だけでなく、それを 形にするパートナー選びが極めて重要です。
どれほど優れたコンセプトやアイデアがあっても、それを実現できる業者でなければ、結果として理想とかけ離れた空間になってしまう恐れがあります。
特に中華料理店は、独自の世界観や厨房まわりの特殊な設備、煙や臭いへの配慮など、飲食店の中でも設計上の工夫が求められる業種です。
経験の浅い業者では見落とされがちなポイントも多く、店舗運営に支障をきたすケースも少なくありません。
そこでおすすめなのが、複数の業者から提案や見積もりを一括で受けられるサービスの活用です。
実績や専門性、価格感を比較しながら信頼できる業者を選ぶことができるため、はじめての店舗づくりや改装でも安心して進められます。
納得のいく内装を実現するためには、「誰に頼むか」がスタート地点。
業者選びからすでに店舗づくりは始まっています。自分のイメージを的確に形にしてくれるパートナーを見つけることが、成功への一番の近道です。
店舗設計施工.com
記事の監修・執筆者
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株式会社ライフワン 古川原
保有資格:
・2級建築士/
・第2種電気工事士/
・一般建築物石綿含有建材調査者/
・石綿作業主任者店舗設計施工.com運営担当の古川原です。施主様、店舗デザイン・内装工事・建築工事会社様にも満足いただけるよう皆様をサポートさせていただきます。
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